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勝手に奈良検定

第151回 勝手に奈良検定

問題1

写真は春日若宮おん祭で行われる「御湯立(みゆたて)」という神事です。どこで行われるでしょうか?

1.春日大社若宮本殿
2.お旅所
3.大宿所
4.興福寺南大門跡

第151回 勝手に奈良検定

正解

正解は、3の「大宿所」。

春日若宮おん祭のなかで行われる神事の1つ「御湯立」は、遍照院跡(現在のもちいどの商店街内)の大宿所で行われます。大宿所はおん祭の願主(がんしゅ)役、御師(おし)役、馬場役を勤める大和士(やまとざむらい)が、神事奉納のために精進潔斎を行う参籠所です。御湯立は12月15日に大宿所詣行列、大和士、一般参拝者のためにそれぞれ3回御湯が立てられます。釜の沸騰したお湯のなかに御神酒、シトギ、洗米を入れ、湯立巫女が両手にもった笹の葉で湯を振り撒きます。真っ白な湯気がもうもうと立ち、湯の滴が舞い散るようすが神秘的な神事で、大宿所や参拝の人々を清めてくれます。また、湯立巫女が腰に巻く縄は「サンバイコ」とよばれ、安産のお守りとして知られています。当日は、妊婦さんがサンバイコを求める姿が見られます。

御湯立が行われる日は大宿所祭の日にあたり、この日大宿所内を見渡すと、さまざまな興味深いものが見られます。まず、寄進された大量の鳥獣は懸物(かけもの)とよばれ、現在も魚や雉などがずらりと文字通り懸け並べられます。さらに、翌々日のお渡り式で使われる野太刀など大型の武具の数々が立て掛けられ、御殿には供え物や鎧兜5領、大和士をはじめ他の奉仕者たちが身にまとう衣装が所狭しと飾られます。供え物はお渡り式などで流鏑馬を勤める稚児からお供えされる稚児餅、珍しい献菓子などが並びます。また、大宿所祭の日にはおん祭の名物料理「のっぺ汁」が地元商店街の人々によって振舞われます。のっぺ汁はにんじんやだいこんといった根菜、揚げ豆腐などが入った汁物です。温かさが全身に染み渡ります。一緒にあめ湯をいただくことも。お渡り式を目前に控えた、おん祭のもう1つの空気を味わいに行ってみましょう。

問題2

今秋、「国指定伝統的工芸品」になった奈良の伝統工芸品は?

1.奈良墨
2.奈良筆
3.高山茶筌(ちゃせん)
4.鹿角細工

正解

正解は、1の「奈良墨」。

「奈良墨」は奈良の伝統的な工芸品で、その歴史は室町時代まで遡ります。当時、興福寺の二諦坊(にたいぼう)で灯明(とうみょう)の煤(すす)を集め、これに膠(にかわ/動物の骨や皮から抽出したゼラチンを主成分とする物質)と合わせて「油煙墨(ゆえんずみ)」を作ったことがはじまりとされます。戦国時代の天正年間に、現在も奈良市内にある奈良墨の老舗・古梅園(こばいえん)の初代松井道珍が、奈良墨の名声を高めて基礎を築きました。そこに全国各地の墨工が集まってきたことで、奈良の一大産業として発展しました。墨自体も国内シェア90%で奈良の誇る産業である一方、後継者不足や利用者の減少が続くなど課題も抱えています。国指定の伝統的工芸品になったことが、奈良墨発展の1つの契機となることを願いたいものです。

残りの選択肢のなかでは、2の「奈良筆」と3の「高山茶筌」が国指定伝統的工芸品です。奈良筆は、空海が中国の筆づくりの製法を持ち帰り、それを奈良で製造したことがはじまりといわれています。特徴として、使う毛質に応じて配分・寸法を決めて混ぜ合わせ、時間をかけて毛組みする練り混ぜ法により、穂先の仕上がりが絶妙であることが挙げられます。基本的に1人の職人が最初から最後の工程まで行い、1本の筆を仕上げるといいます。高山茶筌は、室町時代に大和鷹山(現在の生駒市)城主の次男・民部丞宗砌(みんぶのじょうそうせつ)が、現在の茶筌のかたちを生み出したと伝わります。そして、村田珠光(じゅこう)から千利休と茶道は隆盛を見せ、高山茶筌の技術は生駒の地でいまも脈々と受け継がれています。

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