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古都奈良の主な年間行事

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正倉院展

華麗にして精緻な天平工芸の極み
「御即位記念 第71回 正倉院展」に行こう!

木々の葉が赤や黄に色づき、鹿たちの声が高く響いて秋深まれば、いよいよ「正倉院展」シーズンの到来。記念すべき令和初の正倉院展となる今年は、例年になく展示内容もパワーアップ! 新天皇の“御即位記念”と冠し、例年より会期を3日も延ばして、より盛大に開催されます。さっそく、今年の見どころをご紹介しましょう!

令和元年(2019)の「正倉院展」について

今年は“天皇御即位”という慶事を記念した展示内容になっています。誰もが一度は教科書で見たことがある、宝庫を代表するあの宝物や、正倉院宝物の成り立ちを示す宝物、古代奈良と関わりの深いシルクロードを感じさせる宝物などが目白押し。また上野の東京国立博物館でも、御即位記念特別展「正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」を同時期に開催。トップランクの正倉院宝物と、貴重な法隆寺献納宝物(東京国立博物館所管)という、7~8世紀の日本を代表する古美術品が一堂に会します。今年は思い切って、奈良と東京と合わせて訪れてみるのがおすすめ!

世界に誇る「正倉院宝物」

シルクロードの終着点ともいわれる奈良。奈良時代にはすでに国際交流が盛んで、異国の文化や文物が遣唐使などによってたくさんもたらされました。その刺激を受けて高級素材を用い、技の限りをつくした異国情緒あふれる工芸品、調度品、仏具、楽器などが国内でも作られました。正倉院にはこれらのほか、戸籍などの文書類、文具、染織品、薬など、膨大な点数の品々が収められ、整理された宝物だけでも9千件を超えています。
この宝物のはじまりとなったのは、天平勝宝8歳(てんぴょうしょうほうはっさい)(756)の聖武天皇の七七忌に、光明皇后が天皇の冥福を祈って大仏に献上した天皇ゆかりの品々です。その後、時を経て、宝庫は3つに仕切られ、北倉にはおもに聖武天皇のご愛用品、中倉には東大寺に献納された品々や文書、南倉には仏具や大仏開眼会(だいぶつかいげんえ)などの東大寺の儀式に関わる品々が納められました。1200年もの昔から大切に継承された宝物群は世界にも類がなく、まさに世界の至宝ともいえるのです。

そもそも正倉院って?

学校できっと一度は習う「正倉院」を、実際にご覧になったことはありますか? 正倉院は東大寺大仏殿の北西、約300mのところにあり、現在は宮内庁の機関である正倉院事務所が管理しています。国宝に指定されている「正倉院正倉」は南北約33m、高さ約14m、総ヒノキの高床式校倉造(あぜくらづくり)の倉庫で、8世紀中頃に建てられました。かつては「校倉造の木材が呼吸して通気性がよかったために宝物が守られた」という説が信じられていましたが、実際には、宝物は辛櫃(からびつ)と呼ばれる櫃に収められたために適度な温湿度調整がなされ、今に伝わったというのが正しいようです。現在宝物は、正倉に近い鉄筋コンクリートの東宝庫・西宝庫で管理されており、正倉には櫃などが納められています。正倉院宝物は通常非公開ですが、毎年10月から11月にかけて総点検が行われ、この時に宝物の一部が奈良国立博物館に貸し出されて、「正倉院展」として公開されます。

正倉院は1つだけじゃなかった?

「正倉院」の本当の名前は「正倉院正倉」といいます。奈良~平安時代、日本各地の役所や大きなお寺には、大事なものを収める「正倉」と呼ばれる倉庫が置かれ、正倉がたくさん建ち並ぶ一画を「正倉院」と呼びました。つまり正倉院は、かつては一般名詞だったのです。しかし時代が下るにしたがって数が減り、最後にたった1棟、東大寺の「正倉院正倉」だけが残りました。そのため今では「正倉院」と言えば、かつて東大寺の正倉院正倉だった建物を指す固有名詞となっています。

校倉造の「正倉院」も見に行こう!

正倉院は塀の外から見学できます。せっかくお出かけするなら、正倉院展と正倉院、両方を見てコンプリートするのはいかがでしょうか。
(申し込み手続き不要、見学無料)

公開日

正倉院展の会期中は毎日
通常は月曜日~金曜日
(土曜日・日曜日・祝日・休日・12/28~1/4・その他行事開催日以外)

場所

東大寺大仏殿から北へ300m

開館時間

正倉院展の会期中は10:00~16:00
通常は10:00~15:00

今年絶対見ておきたい正倉院宝物セレクション!

聖武天皇・光明皇后夫妻の大切な品々を納めた戸棚
赤漆文欟木御厨子(せきしつぶんかんぼくのおんずし)

北倉2、総高100.0㎝、幅83.7㎝、奥行40.6㎝

赤漆文欟木御厨子

天武天皇から持統、文武、元正、聖武、孝謙へと、天武直系6代に伝わった、立派なケヤキ製の厨子。非常に重要視された宝物らしく、後述の七條刺納樹皮色袈裟に続いて『国家珍宝帳(こっかちんぽうちょう)※1』冒頭に記載されています。聖武天皇・光明皇后夫妻が身近に置き、2人が婚姻時に交わした思い出の品々や、装身具、小物といった細々した品、聖武天皇自筆の「雑集」(北倉3)や、光明皇后が書写した書簡の模範文例集である「杜家立成(とかりっせい)」(北倉3)、同じく光明皇后の御書「楽毅論(がくきろん)」(北倉3)などが納められていたと考えられています。
※1 国家珍宝帳…天平勝宝8歳(756)、光明皇后が聖武天皇の遺愛品600点余りを東大寺に献納した際の目録で、正倉院宝物の起源を示す、最も古い文献。「生前聖武天皇の好んだ品々をみるにつけ、ありし日が思い出されて泣き崩れてしまう」という、夫を亡くした悲哀にあふれる願文は、光明皇后自ら作文したもの。

スゴイ技法が凝らされた天平のパッチワーク
七條刺納樹皮色袈裟(しちじょうしのうじゅひしょくのけさ)

北倉1、縦145.0㎝、幅262.0㎝

(全体)

七條刺納樹皮色袈裟

(部分)

七條刺納樹皮色袈裟

『国家珍宝帳』筆頭に記載されていることからも、光明皇后が特に重要な献納品とみなしていたと思われます。赤、青、黄、緑、茶、白色の上等な絹を細かくランダムに切って、細長い長方形の裂(きれ)になるよう刺し縫いし、その裂をさらに横に7枚継ぎ合わせたもので、名前の「七條」は継いだ裂の数を指します。「樹皮色」とは、迷彩柄デザインのような色味がまるで木の樹皮のように見えるため。パッと見は地味ですが、天皇が所有するにふさわしい上等な仕立てで、晩年出家した聖武天皇もこのような袈裟を身に着けていたのではないでしょうか。

「東大寺献物帳」のラストを飾る!
天平宝字二年十月一日献物帳(藤原公真跡屏風帳)
(てんぴょうほうじにねんじゅうがつついたちけんもつちょう〔ふじわらこうしんせきびょうぶちょう〕)

北倉161、本紙縦28.8㎝、全長85.5㎝、軸長31.3㎝

天平宝字二年十月一日献物帳(藤原公真跡屏風帳)

光明皇后による東大寺への宝物献納は、天平勝宝8歳(756)6月21日から全4回続きました。最終回が天平宝字2年(758)10月1日に行われた献納で、その時の目録が『藤原公真跡屏風帳』です。光明皇后の実父・藤原不比等(ふひと)の追善供養のため、屏風仕立てにした不比等直筆の書(屏風は現存せず)を、東大寺に献納したという内容で、「私にとって、これに勝る貴重なものはない」という、光明皇后の父に対する強い思慕がうかがわれる貴重な宝物。全面に朱で天皇御璽が押され、巻末には藤原仲麻呂(恵美押勝)と巨勢関(堺)麻呂の位署書(いしょがき)があります。当代の名筆にも挙げられ、また正倉院宝物の成り立ちを知ることができる貴重な文献、ぜひじっくりとご覧ください。

実に20年ぶり! “天平美人”そろい踏み
鳥毛立女屏風(とりげりつじょのびょうぶ)

北倉44

〔第3扇〕縦135.8㎝、横56.0㎝

〔第2扇〕縦136.2㎝、横56.2㎝

〔第1扇〕縦135.9㎝、横56.2㎝

〔第6扇〕縦136.1㎝、横56.4㎝

〔第5扇〕縦136.2㎝、横56.5㎝

〔第4扇〕縦136.2㎝、横56.2㎝

歴史や美術の教科書にも登場する有名な宝物で、現存する6扇すべてが一堂に揃うのは、平成11年(1999)以来、なんと20年ぶりだとか。各扇とも、唐風の衣装を着た豊満な女性が木の下に1人ずつ描かれており、第1扇~第3扇は立ち姿、第4扇~第6扇は座った姿で表されています。現状では全体的に線画が中心で白っぽく、人物も白髪で白い衣装とシンプルながらも、口元をいきいきと彩る紅や、紅潮した頬がかえって艶めかしく、一瞬で魅了されること間違いなし! 実は制作当初は、髪や衣服、樹木の部分には、彩色に代わって国産のヤマドリの羽毛がびっしりと貼られていたことが調査によってわかっており、当時は大変華やかな宝物だったことが伺えます。

1200年の時を経てもなおきらめく
礼服御冠残欠(らいふくおんかんむりざんけつ)

北倉157

礼服御冠残欠

鳳凰や植物、日光の形が美しい金具は、元は複数の冠に取りつけられていたもの。バラバラの状態ではありますが、主要なものは天平勝宝4年(752)の大仏開眼会(かいげんえ)で、聖武天皇・光明皇后が着用した冠や、その娘・孝謙天皇の冠の金具と考えられています。後世、天皇即位の際に用いられる礼冠(らいかん)の手本にするために何度も出蔵され、鎌倉時代の仁治3年(1242)に出蔵された際に、不慮の事故で大破してしまいましたが、その後も大切に守り伝えられてきました。国産の真珠や瑠璃のほか、地中海やその近海でとれた珊瑚をつらねた玉を用いるなど、シルクロードでつながった当時の国際交流を物語る宝物です。

異国情緒あふれるラピスラズリの帯
紺玉帯残欠(こんぎょくのおびざんけつ)

中倉88、現存長156㎝、幅3.3㎝、巡方縦3.1㎝、横3.6㎝、丸鞆縦2.3㎝、横3.3㎝

礼服御冠残欠

紺玉とはラピスラズリのことで、革帯の表面には、ラピスラズリでできた3個の巡方(四角形)と、7個の丸鞆(円形)が飾られています。ラピスラズリは、中央アジア・アフガニスタンから、はるばるシルクロードを通って奈良にたどり着いたと考えられ、当時、たいへん希少価値の高い宝玉でした。帯は薄くなめした革を袋状にし、縫い目を内側に向けて丁寧に縫製されており、表面に黒漆を塗って全体を強化。鉸具(かこ。革帯の端に付けられた金具)は銀製鍍金で、ラピスラズリの裏側には、同じ形の銀の座金が鋲で打たれています。よほどの地位にある皇族や貴族でないと持てない最高級品で、見事な螺鈿の箱に収められていました。

黒漆に螺鈿のコントラストが華やか!
螺鈿箱(らでんのはこ)

中倉88、径25.8㎝、高さ8.4㎝

螺鈿箱

螺鈿箱

紺玉帯残欠を収めたきらびやかな箱。表面は黒漆塗の地に、螺鈿と伏彩色(ふせざいしき)をほどこした水晶をはめこみ、雲や鳥、花弁のモチーフをあしらった、いかにも天平的なデザインが魅力です。正倉院に伝わる螺鈿細工の宝物のなかでも、漆地螺鈿の作例はこれを含め2点のみと、大変貴重な逸品。箱の内側には錦の嚫(うちばり。裂(きれ)や紙を箱の内側に張ること)がなされており、こちらも必見です。

現存する唯一の紫檀製香炉
紫檀金鈿柄香炉(したんきんでんのえごうろ)

南倉52、長さ39.5㎝、高さ7.6㎝、炉径11.0㎝

紫檀金鈿柄香炉

紫檀金鈿柄香炉

一見、金属のひしゃくのようですが、紫檀で作られた、法要のときに僧侶が手に持って焼香するための香炉です。大きく開いた口にちょこんと乗った金の獅子が見つめるのは、L字に曲がった柄の突端で、そこにも獅子が1匹。炉の縁には飛鳥唐草文を透かし彫りにした銀製鍍金の金具を付け、全体に花鳥や蝶などの金象嵌をあしらい、さらに赤い伏彩色をほどこした水晶や、青・緑のガラスがはめ込まれ、とっても雅やか! 現存する柄香炉のなかでも随一の贅沢品といえます。天応元年(781)の光仁天皇崩御に際して「紫檀御香爐一具」が東大寺に献上されており、これが本品に当たる可能性が指摘されています。

正倉院展、ゆっくり楽しむなら…

その年に出陳された宝物と次に会えるのは早くても10年後という「正倉院展」。日中はお目当ての宝物を観にくる人で、大混雑が予想されます。人だかりもなく、本当にじっくり観覧できるのは閉館前の30分ぐらい。このゆゆしき問題を解決してくれるのが、当日の夕方から当日券売り場で販売される「オータムレイトチケット」! 月曜日~木曜日は16:30以降(チケット販売は15:30~)、金曜日~日曜日・祝日は18:30以降(チケット販売は17:30~)に入場でき、料金もとってもお得です。とくに金曜日~日曜日の19:00~20:00は割と見やすくなっていますよ。今年は〝夜の正倉院展観覧〟と洒落込んでみてはいかが? オータムレイトチケットの購入にも列はできるので、博物館には早めに着くようにしましょう。

奈良と東京、両方の特別展を見るならセット券購入がおすすめ!

セット券料金   一般2,500円(前売2,300円)
セット券は、奈良国立博物館で開催される「第71回 正倉院展」と、東京国立博物館で開催される「御即位記念特別展 正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」がセットになった便利なチケットです。主要プレイガイドまたは旅行代理店(一部)、コンビニエンスストアで限定発売するのでお見逃しなく。なお、両館の観覧券売り場ではセット券を販売していないのでご注意ください。

DATA

<第71回 正倉院展>

会期

2019年10月26日(土)~11月14日(木)
全20日間(会期中無休)

会場

奈良国立博物館 東新館・西新館

開館時間

9:00~18:00
※金曜日、土曜日、日曜日、祝日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで

観覧料金

一般1,100円 (前売・団体1,000円、オータムレイト800円)
高校生・大学生700円(前売・団体600円、オータムレイト500円)
小学生・中学生400円(前売・団体300円、オータムレイト200円)
親子ペア(一般1名と小・中学生1名、前売のみ)1,100円
※本チケットで名品展(なら仏像館・青銅器館)も観覧可能
※障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料
★11月14日(木)は御即位をお祝いして入館が無料になります

問い合わせ先

奈良国立博物館 TEL 050-5542-8600(ハローダイヤル)

ホームページ

https://www.narahaku.go.jp/

 

 

<御即位記念特別展「正倉院の世界-皇室がまもり伝えた美-」>

会期

2019年10月14日(月・祝)~11月24日(日)
 前期10月14日(月・祝)~11月4日(休)
 後期11月6日(水)~24日(日) ※展示替あり
会期中、月曜日休館(ただし10月14日(月・祝)・11月4日(休)は開館)、11月5日(火)休館

会場

東京国立博物館 平成館(上野公園)

開館時間

9:30~17:00
※金曜日、土曜日、11月3日(日・祝)、4日(休)は21:00まで
※入館は閉館の30分前まで

観覧料金

一般1,700円(前売1,500円、団体1,400円)
大学生1,100円(前売900円、団体800円)
高校生700円(前売500円、団体400円)
中学生以下無料
※障害者手帳をお持ちの方(介護者1名を含む)は無料

問い合わせ先

東京国立博物館 TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)

ホームページ

https://artexhibition.jp/shosoin-tokyo2019/(「正倉院の世界」公式サイト)

 

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