ホーム > 歴史・文化 > 近代化遺産ある記 > vol.3 日本聖公会奈良基督教会 礼拝堂・渡廊下・親愛幼稚園舎

近代化遺産ある記

オンライン書籍

vol.3 日本聖公会奈良基督教会 礼拝堂・渡廊下・親愛幼稚園舎

掲載日:2014年6月30日

登録有形文化財

お寺?教会?古都に溶け込む和風礼拝堂

日本聖公会奈良基督教会は東向商店街に面した教会です。東隣は興福寺。キリスト教会でありながら落ち着いた純和風の建物は奈良の景観に溶け込み、教会と気づかない人も多いでしょう。竣工は昭和5年(1930)。米国聖公会から寄贈された建築資金をもとに、現近鉄奈良駅北の花芝町から現在地に移転しました。建設期間は2年に及び、関係者は昼夜をとわず工事にあたりました。

登録有形文化財の礼拝堂、渡廊下、親愛幼稚園舎は商店街から石段を上ったところにあります。背後には興福寺南円堂が迫る古都奈良の中心地。設計者で宮大工の大木吉太郎は景観にも十分配慮し、随所に日本伝統の技と知恵を活かしつつも礼拝堂建築の約束ごとにのっとった、美しい和洋折衷の木造バジリカ式礼拝堂を建設しました。和風礼拝堂としてはいまも国内最大規模を誇ります。

チェックポイント!

十字架の形をなす礼拝堂

寺院と見まごう和風建築

礼拝堂は南北に長く、聖所を中心に左翼と右翼を東西に配し、上から見ると十字架の形となっています。また礼拝堂の外観は一見寺院のようですが、瓦には十字架と鳩がデザインされ、屋根の上には十字架が掲げられています。

礼拝堂を支える木のちから

跳高欄(はねこうらん)に光る宮大工の技

礼拝堂を支える材木は吉野杉や現在の五條市などから産出した樹齢130年の檜。堂内の欄間には桐が使われています。また祭壇の十字架に祈りをささげる至聖所には、和風建築の跳高欄が設けられています。

空に響くパイプオルガン

1288本ものパイプが奏でる天上の調べ

祭壇から会衆席を挟んで向かい合う大型のパイプオルガン(ドイツ、ウェルナー・ボッシュ社製)は、昭和62年(1987)に礼拝堂設立100周年を記念して設置されました。建物と合うように西洋松材が使われています。聖所右側のリードオルガンは明治3年(1870)年、アメリカキンボール社製造のもの。パイプオルガンとともに祈りの響きを奏でます。

建てたのはこんな人!

大木吉太郎(おおききちたろう)
明治20年(1887)~昭和46年(1971)

大木吉太郎は郡山藩の御用大工を勤める家に生まれ、上京して夜間学校を卒業。日本橋三越ビルの新築工事、関東大震災後の寺社の修復工事に尽力しました。再び故郷・奈良に戻り、宮大工の棟梁として奈良県を中心とした各地で活躍。社寺の修復のほか、育英高校旧校舎や旧・長寿会細菌研究所工場(現・工場跡〈カフェ〉)、京都市の桃山基督教会、福井県小浜聖ルカ教会などなどを手がけています。

日本聖公会奈良基督(キリスト)教会 DATA

住所奈良市登大路町45
アクセス近鉄奈良駅から徒歩約2分
設計者大木吉太郎
建造年昭和5年(1930)7月
一般公開礼拝、集会、イベント時(礼拝の場ですので静かに見学しましょう)
問い合わせ0742-22-3818(奈良基督教会)
関連サイト日本聖公会 奈良基督教会
http://www.nskk.org/kyoto/nara/
※登録有形文化財としての名称は「日本聖公会奈良基督教会堂・渡廊下・親愛幼稚園舎」です

記事一覧

このページの先頭へ

Copyright © NANTO BANK,LTD All Rights Reserved.