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近代化遺産ある記

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vol.20 井上本店(旧龍紋氷室奈良工場)

掲載日:2016年2月8日

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201602-photo01京の終わりと書いて「京終(きょうばて)」。この地名は、ここが平城京の外京の南端であったことに由来するといわれています。時代は下り、世は平成。いまの京終は、昭和の風情を残す町並みが懐かしい場所です。そんな町なかに、突如現れるモダンなレンガ造りの建物。このハイカラな建物、なんとお醤油屋さんの醸造蔵なんです。

201602-photo02建設当初の大正時代、この建物は製氷会社の工場として利用されていました。しかし戦争とともに製氷業の需要が低下。昭和16年(1941)頃、醤油醸造元の井上本店によって工場が買い上げられました。現在は醸造所兼倉庫として利用されています。貯氷庫だったと考えられているこの建物、夏は涼しく冬はあたたかで、発酵食品の天然醸造にはぴったりだそうです。

チェックポイント!

出入口はアーチを描いてカッコよく

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最先端の商品には最先端の建物を?

建物の出入り口の1つは、重厚な雰囲気のアーチ型。屋根の東西の切妻にはぺディメントも設けられています。大正から昭和初期にかけて急成長した製氷業は、当時新しい産業でした。造る器である工場も最先端である西洋のものに。一説によると、そんな考えもあってレンガ造りの建物になったのではないかといわれています。

平屋から2階立てになりました

201602-photo04倉庫と醸造所

もとは平屋建ての建物でしたが、井上本店が工場を製氷会社から買い取った際、内部に木材で2階を造作。現在、1階は醤油や味噌などの発酵場としてや、原材料の倉庫として、2階は販売用兼醸造用の米麴の醸造所として使用しています。2階からはトラス構造の小屋組みがよく見えます。

醤油熟成中!

201602-photo05和と洋の不思議な調和

レンガ造りの醸造所兼倉庫内には、醤油もろみの蔵もあります。そこで醤油もろみが静かに熟成され、出荷のときを待っています。伝統的な和の食材である醤油と、西洋のレンガ造りの建物とが不思議に調和して、魅力的な眺めをつくりだしています。

井上本店(旧龍紋氷室奈良工場) DATA

住所奈良市北京終町57
アクセスJR京終駅から徒歩約3分
建造年大正時代末期(1920年頃)
一般公開醸造の工程は事前予約で見学可能(時間帯応相談)
日曜・祝日定休(4~10月は土・日・祝定休)
9時~17時30分
問い合わせ0742-22-2501(井上本店)

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