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勝手に奈良検定

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第67回 勝手に奈良検定

問題1

奈良県内で1回も途絶えることなく受け継がれてきたこの行事。さて、開催場所と名前をお答えください!

第67回 勝手に奈良検定

正解

正解は、八柱神社の題目立(やはしらじんじゃのだいもくたて)です。

奈良市の東に位置する上深川(かみふかわ)という集落に伝わる伝統芸能で、毎年10月12日に行われています。17歳の青年男子たちが村の祭祀組織である「宮座」に入る際にこれを奉納してきましたが、現在では17歳を中心とする若者たちによって演じられています。国の重要無形民俗文化財で、2009年、ユネスコの無形文化遺産にも選定されました。

題目立の歴史は、はっきりとはわかっていません。興福寺に残る『多聞院日記(たもんいんにっき)』には、16世紀なかばに、すでに題目立が行われていたことが記されています。奈良市の東の山間部、通称「東山中(ひがしさんちゅう)」一帯では、近世の初めには、このような芸能がいくつもの集落で行われていたようです。

題目立は、源平の武将を題材にした物語を、出演者が一人一役ずつ担当し、特徴のある節回しで語っていくものです。現在、「厳島」「大仏供養」「石橋山」が伝わっていますが、近年では厳島が多く演じられています。厳島を演じるのは8人で、写真でお堂の中に座っているのは弁財天役、他は武将役です。2時間弱もの舞台にもかかわらず、最後の15分くらいまで動きがないのが題目立の大きな特徴です。謡いに振り付けのつかない、古い姿を今に伝えるものです。

問題2

2011年から4年をかけて、100年ぶりの大修理が行われる正倉院正倉(しょうそういんしょうそう)。当面の間見学できないのは残念ですが、同じ校倉造(あぜくらづくり)の建物なら、東大寺境内にいくつか見られます。さて境内に建つ校倉造の建物は、正倉院正倉以外に、あと何棟ありますか?

正解

正解は、5棟。

校倉造といえば正倉院正倉を思い浮かべる人は多いでしょう。しかし意外や意外。建物によっては、正倉院正倉よりももっと至近距離で、校倉造を見学できるのです。5棟とは、聖語蔵、本坊経庫(国宝)、勧進所経庫(重文)、法華堂経庫(重文)、手向山八幡宮宝庫です。聖語蔵は正倉院正倉の南にあり、通常は見られません。本坊経庫(国宝)、勧進所経庫も、特別な機会でしか見られません。しかし法華堂経庫と手向山八幡宮宝庫は、いつでも近くから見学することが可能です。

かつて校倉造の建物は、三角形の校木(あぜぎ)が収縮と膨張を繰り返すことで内部の環境が保たれ、宝物が守られてきたと語られてきました。しかし実際には、宝物をしまっていた辛櫃(からびつ)こそが、湿度70%ほどに環境を保ってきた、一番の立役者だったことがわかっています。実際に校倉を間近にすれば、校木どうししっかりと組まれていることがよくわかります。なお唐招提寺にある宝蔵と経蔵も同じ校倉造で、奈良時代建造の国宝です。

天平の至宝を間近にする「第63回正倉院展」は10月29日(土)~11月14日(月)まで、奈良国立博物館で開催されます(会期中無休)。聖武天皇の遺愛の品をはじめとする計62件が出陳されます。今年の目玉は、織田信長や足利義満ら、権力者たちが切りとらせたという名香「蘭奢待(らんじゃたい)」。生々しい切り口は、宝物といえども、歴史に翻弄されてきたことを物語るようです。ぜひお見逃しなく!

問題3

談山神社や京都の清水寺と関わりがあるといわれ、お葉つきイチョウでも知られるお寺といえば、どこ?

正解

正解は、音羽山観音寺(おとわやまかんのんじ)。

観音寺は、桜井市の音羽山山中にある静かな寺で、現在は融通念仏宗の寺院です。創建は古く、天平勝宝元年(749)に建てられたと伝えています。山岳信仰の一大霊場として栄えました。寺への道はいまでも非常に険しいことで知られます。麓の南音羽の集落から徒歩で登らなければなりませんが、参詣者用に杖が用意されています。

どうしてそのように不便な山の中に建てられたかについては、こんな説が知られています。かつてまだ、談山神社が妙楽寺という寺院であったころ、その鬼門よけに、丑寅の方角に当たる音羽山の山中に、観音寺を建てたというのです。災いを一身に引き受けたのかどうか、創建100年あまりにして、伽藍は山津波にさらわれてしまったという記録が残されています。さらにまた、創建したのは清水寺の開祖、延鎮であるという伝えもあります。本尊の胎内から、京都の清水寺とゆかりのある旨を記した墨書がみつかっています。

秋、山中は美しい錦に彩られます。とくに本堂の横に立つ高さ25mのイチョウの木は見ごたえ十分で、奈良県の天然記念物となっています。透きとおるようなレモン色に黄葉したさまは、実に見事です。また葉に乗るようなかたちでギンナンがなる「お葉つきイチョウ」としても知られます。談山神社の紅葉、音羽山の黄葉を楽しみながらの参詣・ハイキングは、10月下旬からがオススメです。

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