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下ツ道 その2 近鉄二階堂駅から近鉄笠縫駅まで

掲載日:2011年12月1日

近鉄二階堂駅からは田原本を通過し、近鉄笠縫駅まで歩きます。道はとてもわかりやすく、南へまっすぐ延びています。このルートは、結崎(ゆうざき)付近からほぼ近鉄橿原線に沿っているので、疲れた時は電車を利用することもできます。

近鉄二階堂駅~庵治町集落~鍵・唐古遺跡~今里杵築神社~淨照寺・本誓寺~津島神社~近鉄笠縫駅(約3時間半)

近鉄二階堂駅からはしばらく古い町並みの残る道を歩いていきます。大和川を渡って進んでいけば、庵治町(おうじちょう)の歴史ある家並みが続きます。道の東側には伊勢降(いせふり)神社があり、村外れの道の真ん中のこんもりとした杜のなかに、常夜灯と地蔵堂があります。さらに進めば、田原本町の唐古(からこ)の集落に入ります。

唐古の集落の東側、下ツ道を離れ国道24号線を渡った先には、復元された楼閣が印象的な唐古・鍵(からこ・かぎ)遺跡があります。この辺り一帯には弥生時代の大集落が営まれ、環濠や竪穴式住居跡、青銅器の工房跡、多量の土器や石器などたくさんの遺物が見つかっています。なかでも当時の暮らしぶりがわかる絵画土器は貴重で、いま見られる楼閣は、土器に描かれた絵を元に建てられたものです。

下ツ道に戻りましょう。田原本町には茶色でカラー舗装された道が通っており、散策のルートを教えてくれます。唐古の集落を南に下ると今里の集落です。今里の杵築(きつき)神社は「蛇巻き(じゃまき)」の行事で有名です。本来は男の子の成人を祝う節句の行事で、毎年6月、蛇に見たてた綱を持って町内を練り歩き、最後は神社の木に巻き付けます。同様の行事は鍵集落にもあります。しばらく歩き寺川を渡ると、すぐに安養寺、首切り地蔵が目に入ってきます。周辺にはふたたび古い家並みが増え、さらに南へ行けば、鏡作(かがみつくり)神社の杜が見えてきます。

近鉄田原本駅前には観光ステーション「磯城(しき)の里」があり、予約をすれば観光ボランティアガイドの方が観光案内を行ってくれます。観光ボランティアガイド嶋村さんによれば「鏡作神社は、古くから鏡鋳造神として信仰されてきた」そうです。「田原本は古くは戦国時代には教行寺という寺院を中心に、下ツ道(後には中街道)沿いに寺内町として栄えました。その後、寺は移転し、敷地は淨照寺と本誓寺の2つの寺院になりました。今も近鉄田原本駅のすぐそばにありこの町の中心的存在です。淨照寺は太鼓楼を持ち、江戸時代の面影を残しています。また本誓寺は江戸時代、この地の領主であった平野氏の菩提寺です。2つの寺院のそばには津島神社があり、7月の祇園祭りは毎年盛大に行われています」と嶋村さん。町のなかには古民家が点在しこの町のかつての繁栄が伺えます。また道標も数多く残り、町を行き交う人の多かったこともしのばれます。

田原本の町を過ぎ、少しのあいだ寺川に沿って歩きましょう。土手沿いには桜が植えられのどかな雰囲気です。道はやがて土手から離れ、ふたたび古い町並みのなかへ。ここが九品寺(くほんじ)の集落で「うだつ」のある家々も見られます。やがて街道西側の家々の間に近鉄笠縫駅が見えてきます。うっかりすると通り過ぎてしまいそうな小さな駅です。

なお近鉄笠縫駅の西側には秦楽寺があります。山門は中国風で、境内には阿の字をかたどった池もあります。この辺りは秦庄(はたのしょう)という地名が示すように、古代の秦氏と関係が深い土地で、百済王から聖徳太子に贈られた千手観音を安置するため、秦河勝(はたのかわかつ)が創建したと伝えられています。


常夜灯と地蔵堂の杜

唐古・鍵異遺跡の復原楼閣

今里の蛇巻き

浄照寺と本誓寺

道標と歴史ある佇まいの家

鏡作神社

うだつのある家

秦楽寺山門

田原本町の2人の有名人―桃太郎と太安万侶―

田原本町には、2人の有名人がいます。1人は桃太郎。桃太郎のモデルになったといわれる吉備津比古命(きびつひこのみこと)の出身が田原本町黒田付近であったということから、桃太郎誕生の町といわれています。もう1人が、『古事記』を編纂した太安万侶(おおのやすまろ)です。近鉄笠縫駅から南西に約1kmのところにある多(おお)神社は、多氏の一族で『古事記』編纂で名高い太安万侶のゆかりの地であり、この神社の南の小杜神社には太安万侶が祀られています。2012年は『古事記』編纂から1300年の記念の年、田原本町ではさまざまな記念事業が開催される予定になっています。


多神社


小杜神社

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