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長尾神社から御所へ ~残された記憶を呼び戻す道~

掲載日:2013年8月30日

その土地、その土地には過去にまつわる伝説や建物などが存在します。時代が移りゆくにしたがって、消えていってしまうものも少なくありません。長尾神社から御所に向かう道は、伝説の2人の女性の面影を残しています。新庄の先で奈良や大和郡山、大和高田を通ってくる下街道に出合い、さらに歴史の色濃い町御所(ごせ)へと向かうのです。

近鉄磐城駅~長尾神社~大磯の虎女旧跡(虎御前のお堂)~孝女伊麻の碑~イザナギ神社~新庄城下町~西辻~忍海駅付近~下街道に合流~御所まち(散策約1時間)~近鉄御所駅(徒歩約3時間30分)

長尾神社は横大路や竹内街道、長尾街道、下市街道と多くの街道が交差する交通の要衝にあり、交通の神様としてもあがめられています。

長尾神社からは、道は山沿いを南下していきます。街道の面影は少し消えかけ、新しい住宅地へと変わりつつありますが、ところどころに古い街道を思わせる家並みが残されています。途中道沿いには、大磯の虎女(虎御前)の古いお堂が建っています。虎御前はあだ討ちで知られる曽我兄弟と関連がある人物です。神奈川県大磯にも虎御前の伝説が残っています。なぜそのお堂がこの葛城の地にあるのかは定かではありませんが、長い歴史のなか人々に語り継がれながら、この地で伝説として生き続けているのです。
葛城に伝わる伝説は、虎女だけではありません。大磯虎女の旧跡からすぐ南には、孝女伊麻旧跡があります。伊麻はこの地に生まれ、病弱の父親のために孝行の限りを尽くした人として、『今市物語』の主人公として描かれています。竹内街道を訪れた松尾芭蕉もその話を聞き、友人への手紙に書いている程です。現代の私たちが忘れかけている伝説は、その土地に今も息づいているのです。

道はやがて新庄の町へ入っていきます。ここはかつての代官が治めていた町で、古い町家が残り小さな城下町の風情を残しています、町の西の山側には代官の屋敷がありました。現在は屋敷山公園として市民に親しまれています。
新庄の町を過ぎ、西辻付近では新しい住宅が建ち並び街道の面影はなくなっています。西辻地区で東に折れ、忍海駅近くの近鉄御所線、国道24号を越えてJR和歌山線を渡ると古い太神宮の灯籠を目印に、道は下街道に合流します。ここからは下街道を南へ進んでいきます。街道では古い民家をあちらこちらに見ることができます。車がすれ違うのがやっとの古い道の道端にある大きな樹は、長い歳月が過ぎてきたことの証人であり、古くからそっと旅人を見守ってきたことでしょう。西側には国道24号が通っていますが、街道はその喧騒から離れ、静かに昔の面影を今に伝えながらたたずんでいるようです。そしてやがて御所の町に入ります。JR・近鉄御所駅の東に広がる古い町並みが「御所まち」です。現在と過去が同居する不思議な空間がそこには広がっています。

歩くことで発見できる古い道の記憶は、私たちを容易に歴史の旅へといざなってくれます。古い街道は、たぶん車で通り過ぎてしまっては気づかない、過去の記憶を私たちに見せてくれながら、これからも静かに時を刻み続けるのでしょう。


虎御前ゆかりのお堂

孝女伊麻の石碑

道端の古い道標

新庄にある古い民家

下街道にある太神宮の灯籠

街道沿いの古い巨木

御所まちの古い町家
 

御所まち~時の狭間を旅するところ~

JR・近鉄御所駅の東に広がる御所まちは、古い時代の面影を色濃く残す町です。駅前の商店街は昭和のレトロな時代、その商店街を抜けると時代はさらに遡り江戸時代を思わせる高札場が残され、新しい家屋と江戸時代の家屋が共存する町並みになるのです。御所まちは川をはさんで2つのエリアがあり、それぞれに趣きが遺されています。

そして、御所まちの東には役行者(えんのぎょうじゃ)ゆかりの吉祥草寺があり、役行者が通ったとされる道は「行者街道」として整備されています。行者が修行したという葛城山へは、麓の乗り場から所要時間約6分という短い時間で、ロープウェイが頂上近くまで連れて行ってくれます。町の散策時間は1時間ほど。しばし、時の旅人となってみてはいかがでしょう。


御所まちの高札場


古い町並みと葛城山

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