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勝手に奈良検定

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第76回 勝手に奈良検定

問題1

まるで七夕の笹竹のような飾りを手にしたこの人物ですが、撮影されたのは七夕の日ではありません。さてこの人が行列する行事の名前は何でしょう。

第76回 勝手に奈良検定

正解

正解は、 春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)。

大和国の1年の最後を飾る春日大社若宮の祭礼で、毎年12月15日~18日に行われます。長雨や洪水の収まることを祈念して保延2年(1136)に奉仕されたのがはじまりで、以後870余年もの間とだえることなく続く、国の重要無形民俗文化財です。

写真のかぶりものをした人物は、12月17日の正午から行われる「お渡り式」で見ることができます。行列の第六番「馬長児(ばちょうのちご)」の従者で、「被者(ひしゃ)」と呼ばれます。馬長児1人につき2人が従います。馬長児は3人なので、合計6名の被者があとにつくことになります。被者のいでたちは実に面白く、頭には赤と青の龍の絵を切り抜いたかぶりものをし、手には五色の短冊をつけた笹竹、さらに腰には高下駄を1足、吊り下げています。

これはすべて雨や水にかかわるもので、頭につけたかぶりものは雨を司る龍の姿です。また雨乞い(あまごい)の「こい」と「恋」とを引っかけた「見る恋(みるこい)」「逢ふ恋(あふこい)」は、祈りの中に風流を楽しんだ中世の人びとの遊び心が感じられます。腰にした高下駄も、雨降りの時には欠かせないものです。

問題2

七夕は、天の川をはさんだ牽牛と織姫の恋の物語。では天の川を地上に写したといわれる巨石群のある奈良県の名所といえば、さて、どこでしょう。

正解

正解は、鍋倉渓。

鍋倉渓は、奈良市から東の山中に入った山添村にある渓谷で、神野山の山中にあります。渓谷といっても水はなく、全長約650m、平均幅10mにわたって、黒々とした大小さまざまな石がごろごろと並び、奇観を呈しています。これは風化現象によって山の表面の地層が削られ、岩石となったものが谷底に転がって堆積したものと考えられています。石の下には伏流水が流れ、大和の名水に選ばれています。

鍋倉渓は一説には「天の川」を表し、周辺に点在する巨石は、天の川を中心にした星座を写したものといわれています。たとえば鍋倉渓の脇にある「竜王岩」はアンタレス、神野山山頂の「王塚」は白鳥座のデネブ、「八畳岩」は琴座のベガ、「天狗岩」はわし座のアルタイル(ひこ星)であり、これらは「夏の大三角形」だといわれています。

鍋倉渓では毎年夏にライトアップが行われ、夕方から幻想的な光景が広がります(詳細未定)。見ごろは21時ころですので(22時には自然消灯)、真夏の夜のひとときを楽しまれてはいかがでしょう。また村内には「長寿岩」「舟岩」など、名前のある磐座(いわくら)だけでも約20が点在しています。巨石を訪ねる磐座マップは役場などに置かれているので、夏のハイキングにも最適です。

問題3

現在、奈良市内の大きなお寺で、伽藍の再建や解体修理が行われています。1つは興福寺、もう1つは薬師寺です。ところでこの2寺は、ともになんという宗派のお寺でしょうか。

正解

正解は、法相宗(ほっそうしゅう)。

法相宗は、唐の時代におこった仏教の1宗派で、インドへ経文を求めて旅した玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)の弟子、慈恩大師が開きました。日本では南都六宗の1つに数えられています。唐でもそうでしたが、当時は宗派というよりは学派の1つとして修学されました。

「手を打てば はいと答える 鳥逃げる 鯉は集まる 猿沢の池」。猿沢の池のほとりで観光客が手を打てば、旅館の人は用事で呼ばれたと思い返事をし、鳥は鉄砲の音と驚いて逃げ、鯉は餌をもらえると思い集まってくるということをよんだ歌ですが、十人いれば十人が違う認識をするという、法相宗の世界観を端的にあらわしています。

現在ともに法相宗大本山である興福寺と薬師寺では、11月、慈恩会(じおんえ・じおんね)とよばれる法要を行います。特別な事情がない限り、2寺間で隔年で、会場を移して行われています。法相宗の開祖・慈恩大師を偲ぶ問答形式の法要で、ひんやりとした秋の夜の静かな法要です。

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