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竜田道「業平橋から竜田大橋へ」 ~現代と古い時代が重なり合う場所~

掲載日:2012年6月29日

斑鳩の里の東、富雄川に架かる橋のひとつに、伊勢物語の主人公在原業平ゆかりの「業平橋」があります。街道を進むとさらに西には歌枕でも名高い竜田川があり、川にかかる「竜田大橋」は十三峠越えの道や清滝街道などと交差する、古くからの交通の要衝でした。竜田道沿いには道標や古い町家など、往時を偲ばせるものが残されています。

近鉄筒井駅からバスで法起寺口下車~業平橋~阿波神社~素盞嗚神社~並松商店街~斑鳩iセンター~法隆寺境内~西里の町並~藤ノ木古墳~斑鳩町役場~竜田神社~竜田大橋~バスで近鉄筒井駅(徒歩約3時間)

バスを法起寺口で降り、東に進み富雄川沿いを南に歩いていくと、川にかかる小さな橋、業平橋に出ます。ここは斑鳩の里の東端にあたり、東には奈良盆地の風景が開け、南西の方角には葛城山や二上山が見えます。この道は天理櫟本(いちのもと)からの業平道と合流し、竜田山を越えて難波に向かう竜田道(竜田越奈良街道)です。
業平橋の南には新業平橋があり、街道からは少し離れますが、その橋のすぐ近くには聖徳太子を偲ぶ上宮遺跡公園があります。ここは聖徳太子の飽波(あくなみ)宮跡地推定地です。すぐ近くには阿波神社、素盞嗚(すさのお)神社などの古い神社が残ります。
さて、街道に戻りましょう。法隆寺の前の並松商店街は、昭和の面影を残す商店街です。昔ながらということばがピッタリの、古き良き日本が残る趣のある通りになっています。商店街の中ほどには古い道標が建ち、そのすぐ北側には法隆寺に向かう松並木が伸びています。法隆寺の大型バス駐車場の横には「法隆寺iセンター」があり、斑鳩の里の観光拠点として、ボランティアガイドさんが斑鳩の里の観光の手助けをしてくれます。

法隆寺周辺には古い町並みが残ります。法隆寺の塀に沿った道も、歴史の古さを感じさせます。境内を通り、西大門を出ると落ち着いた静けさが残る西里の町並みが続きます。このあたりは法隆寺の修理などにあたった大工さんたちが暮らした町でした。さらに西へ歩いていくと、ふいに広々とした風景が広がります。藤ノ木古墳です。古墳の芝の緑が美しく、遠く青々とした葛城山と二上山を望みます。藤ノ木古墳は金銅製の冠や馬具の出土品が出土し、全国的に大きな注目を浴びた古墳です。現在は古墳の外から石棺を覗けるようになっています。また出土品のレプリカは斑鳩文化財センター(水曜休館)で見ることができます。

さらに竜田道を西に向かいます。斑鳩町役場前から竜田大橋までの区間はもっとも街道らしい趣が残るところです。古い町家の軒には鍾馗さんを見ることもできます。ところどころに古い町家が点在し、国道25号のすぐ北を走っているにもかかわらず静かな佇まいを見せています。この道沿いに建つ龍田神社は古くから鎮座し、法隆寺の鎮守社でもありました。境内には能の金剛流発祥の碑、県の天然記念物に指定されたソテツの巨樹があります。大きな楠は御神木で楠大明神として祀られています。

街道は猫坂で国道25号と合流します。「猫坂」の名は、道が猫の背中のようにカーブを描いていることに由来するとか。道幅の狭い国道25号を車に気をつけながら進むと竜田大橋です。かつて多くの和歌に詠まれた竜田川ですが、行き過ぎる車の音にその風情はかき消されてしまいそうです。しかし道の脇には今も古い道標が残され、かつてここが人々が行き交う街道であったことを物語ってくれます。


業平橋のたもとの歌碑と地蔵

素盞嗚神社拝殿の絵馬

法隆寺西大門から法隆寺を見る

西里の町並み

藤ノ木古墳内部

龍田神社にある楠の御神木

竜田の古い町並み

竜田大橋

竜田道沿いの道標

古い街道を歩いていると、石の道標によく出会います。なかには気がつかずに通り過ぎてしまいそうなものもあります。現代のように気軽なレクリエーションとはいかない昔の旅。かつて多くの旅人が道標を頼りに旅をしたのでしょう。竜田道周辺では、例えば法隆寺前や竜田大橋のたもとに道標が見られます。法隆寺前には「右いせ たわら本 みわ はせ いちの本 たんば市」、竜田大橋たもとには「左 松尾道」と刻まれた道標が立っています。自動車のために道を広げる工事の際にも、きっと多くの人が残しておきたいと考えたに違いありません。古街道を歩くことは、時代の波に打ち消されそうな埋もれた歴史を再発見することでもあるのです。


法隆寺前の道標


竜田大橋たもとの道標

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