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御所から下街道をゆく ~風の森峠を越え北宇智へ~

掲載日:2013年10月1日

古い御所町のなかを通る下街道はやがて町を抜け、風の森峠へ向かいます。峠には現在も奈良から五條や和歌山へ向かう国道24号が通り、交通量も多く、昔は交通の難所でした。現在でも、天気によっては難所になることに変わりがありません。また、峠は分水嶺でもあります。奈良盆地を北に流れて大和川へと注ぐ葛城川は金剛山の麓から流れ出ているのです。五條へ出れば、川は吉野川に注ぎます。

近鉄御所駅~鴨都波神社~野口神社~宮山古墳~小殿~船宿寺~風の森峠~東佐味バス停~(路線バス使用)~住川バス停~JR北宇智駅(徒歩約4時間30分)

御所の町にある名高い神社は鴨都波神社です。国道24号を走ると、道沿いに神社が見えています。車で移動していたらわからないことですが、古い神社の参道は古い街道に面していることが多く、実は正式な参道は古い街道である下街道側にあるのです。御所一帯は、昔は鴨族に支配されていました。鴨の名のつく神社が付近に多いのはそのためです。鴨都波神社は7月の夏季大祭と10月の秋季大祭の折に行われる「ススキ提灯献灯行事」が有名です(詳細はこちら)。

鴨都波神社から南に歩いていくと野口神社があります。小さな神社なのですが、拝殿の横にはなんともユーモラスなわらで作られた大蛇が置かれた蛇塚があります。大蛇は5月5日に行われる祭りの主役となり、村内を練り歩きました。この祭りは「汁かけ祭り」といわれています。

神社から道は南へ続いています。室の付近では大きな宮山古墳を見ることができます。室から道を水越峠方面にとり、集落のなかを歩いていくと、途中にあるお堂のところに道標がありここで道は分岐します。西に向かえば水越峠を越え、大阪への道、南へ向かえば風の森峠です。道は細くなり、集落のなかや、畑のなかを通り、小殿(おどの)で国道24号と交差します。小殿付近は古い街道の面影も残るところです。しだいに道には勾配がつき始め、風の森峠へと向かっていきます。葛城川が街道のすぐ近くを流れ、川を遡るように街道を歩いていけば、やがて船宿の集落です。ここには花の寺として名高い船宿寺があり、きれいな山門の前からは金剛山の美しい風景を見渡せます。(詳細はこちら)。

道は次第に勾配がきつくなり、峠へと向かいます。すぐ近くを交通量の多い、国道が走っていますが,峠への道は取り残されたような静けさのなかです。時折聞こえる大きなエンジンの音や、クラクションの音で、国道が近かったことを思い知らされるのです。

風の森峠で再び国道に出合います。風の森峠の小さな祠は、国道の西の古い石垣のあるお寺の奥にあります。付近を眺めると、西には金剛山がのびやかに見え、南には五條や天川の山々が広がっています。田の間の道を、金剛山を眺めながら下ると、東佐味の集落です。その付近から道は国道と重なってしまい車道を歩くことになるので、ここからバスを利用します。東佐味からのバス停から1時間に1本あるバスに乗車して、JR北宇智最寄りの住川バス停で下車します。国道の東側には、第20回(2013年4月号)で紀州街道の歩き始めに見た古い民家があります。道を西にとれば程なくJR北宇智駅、さらに20分程歩けば、近内の集落のなかで、古い庄屋の屋敷を保存し公開している藤岡家住宅に着きます。


旧下街道に面した、鴨都波神社の鳥居

野口神社の蛇塚

水越峠への道との分岐にあるお堂

半ば土に埋もれた道標

小殿にある古い民家

船宿寺山門

風の森峠にある小さな祠
 

近内の旧家・藤岡家住宅~五條の旧家の暮らしを垣間見る~

JR北宇智駅から西に約1.3kmのところに登録有形文化財「藤岡家住宅」があります。俳人藤岡玉骨(本名長和)の生家です。藤岡玉骨は俳人として活躍する前に、官吏として佐賀や和歌山、熊本県の官選知事を歴任しました。藤岡家は江戸時代から続く庄屋であり、また両替商や質商なども営んでいました。長年空き家になっていましたが現当主が修復し、NPO法人うちのの館が2008年から管理し、公開しています。茶房も作られ、ランチサロンやさまざまなイベントも行われています。27畳もある大広間は会議などにも利用することができるスペースになっています。また春、屋敷内の庭には樹齢約250年の梅の古木に鮮やかな紅の花が咲き、訪れる人々の目を楽しませています。


藤岡家住宅内部


庭にある樹齢250年の古梅

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