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勝手に奈良検定

第86回 勝手に奈良検定

問題1

写真は宇陀市菟田野にある「ある建物の跡」です。さて、いったい何でしょう。

第86回 勝手に奈良検定

正解

正解は、駒帰廃寺(こまがえりはいじ)跡(伝安楽寺)。

駒帰廃寺は、宇陀市菟田野駒帰にある古代のお寺の跡です。集落の中の狭い道を登りつめ、標高400mほどのところにあります。

発掘調査では、金堂跡と思われる大きな建物と、やや小さい建物が東に隣接するようにあることがわかりました。さらに斜面の下には、駒帰廃寺の瓦を焼いた瓦窯跡も発見されています。遺跡からは、タイルに仏像を押し出したような、せん仏と呼ばれる焼き物が出土しています。これらは寺院内の壁を飾ったと考えられています。同じ型で作られたものが三重県名張市の夏見廃寺、奈良県御所市の二光寺廃寺からも見つかっていることから、これらにお寺の間に何らかの関係があったと考えられます。

宇陀市菟田野は、「宇陀の高城」「桜実神社」、「血原」の地名など、神武東征の伝承地が点在する地域です。金堂跡からは、神武天皇が越えてきたと伝わる吉野の山々が大パノラマで眺められます。2013年4月28日(日)には菟田野古市にある宇太水分神社の北東に、「奈良カエデの郷『ひらら』」がオープンしました。世界中のカエデ1200種が集められた珍しい植物園で、木造校舎を利用した施設ではカフェを楽しむこともできます。

問題2

6月9日まで蔵王権現の特別開帳が行われている吉野山の金峯山寺。銅(かね)の鳥居の建つ前後にくぐる門の名前は、さて何でしょう。

正解

正解は、先にくぐるのが黒門、後にくぐるのが仁王門。

まず黒門とは金峯山寺(きんぷせんじ)の総門で吉野一山の総門。高麗門という様式で、よく城郭に用いられました。公家や大名もこの門で下馬し、槍を伏せて歩く決まりでした。吉野山から大峯山に至る修験道の山の総門として、非常に格式の高い門です。現在の門は昭和60年に改築されています。

2つの門の途中に建つ銅の鳥居は高さ7.6m。重要文化財に指定され、一説には奈良の大仏を鋳込んだ残りの銅で建立したともいわれます。また吉野山から大峰山上までの間に4つある門の最初の門で「発心門」と呼び、残る3つを「修行門」「等覚門」「妙覚門」と呼んでいます。「吉野なる銅の鳥居に手をかけて弥陀の浄土に入るぞうれしき」。吉野で修験に入る行者たちは、ここでこの歌を唱えるとか。大阪四天王寺の石の鳥居、安芸宮島の朱塗りの木の鳥居とともに、日本三鳥居の1つに数えられています。

銅の鳥居を過ぎてくぐるのが、国宝・仁王門です。3間1戸の楼門で、棟の高さ20.3m。上層が康正年間、下層が南北朝ごろに造られたといわれていますが、はっきりとはわかっていません。金峯山寺の北の玄関として急階段の上にそびえたちます。一方、焼失しその姿はありませんが、村上義光公が最後を遂げた二天門が金峯山寺の南門でした。総高5.28mの仁王像が出迎えてくれます。

問題3

「名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」。これを読んだ人とゆかり深く、毎年忌日法要が営まれる寺といえば、さて、何というお寺でしょうか。

正解

正解は、不退寺(ふたいじ)。

まず、この歌を詠んだのは誰かおわかりですか?古代の反骨の貴公子として知られる在原業平(ありわらのなりひら)です。この歌は、『古今和歌集』に収められ、『伊勢物語』の東下りの段にも出てきます。意味は、「都という名前がついているならば、聞いてみよう。都に残してきたわが思う人はいま生きているのかどうか」というもので、『伊勢物語』では、これを聞いたお伴の人々が涙ぐむという、感傷的なシーンとなっています。

在原業平(天長2年〈825〉~元慶4年〈880〉)は、平城天皇の孫、阿保親王の5男として生まれました。平安時代初期を代表する歌人であり、六歌仙、三十六歌仙の1人として知られます。さきの『伊勢物語』の主人公とは、同一視されてきました。この業平が開基したと伝えるのが、奈良市の不退寺です。大同4年(809)、平城天皇が退位してこの地に住まわれ、その後、阿保親王、在原業平が暮らしたといいいます。本堂に祀る木造聖観世音菩薩立像は、業平自身の作と伝え、阿保親王の菩提を弔うべく、「不退転法輪寺」と号して寺と成したのが創建の由緒です。

業平寺とも称される不退寺では、毎年5月28日11時から業平忌が行われます。業平の画像が掛けられ、僧侶による法要が営まれるなか、歌や俳句の上達を願う人らが大勢参拝に訪れます。この日、多宝塔が公開されるほか、伊勢物語の写本など、業平ゆかりの寺宝が公開されます(春季秘宝特別展は5月1日~31日)。

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