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勝手に奈良検定

第100回 勝手に奈良検定

問題1

現在石碑だけが建つ「瑠璃宮跡」。この宮にしばしば遊ばれたのは、次のどの天皇でしょう。

1.天武天皇
2.持統天皇
3.聖武天皇
4.孝謙天皇

第100回 勝手に奈良検定

正解

正解は、4の「孝謙天皇」。

瑠璃宮跡は、奈良市西ノ京の薬師寺に近い、六条1丁目の静かな住宅街の一角にあります。現在は石碑が残るのみで、往時のようすを偲ぶものはありません。石碑は地元の人々によって、昭和41年に建てられ、以後町の誇りとして整備保存されています。

瑠璃宮は、聖武天皇の娘でもある孝謙天皇が築かれた宮です。孝謙天皇は天平勝宝元年(749)に即位され、天平勝宝4年(752)にこの地に瑠璃宮を造営、瑠璃宮と名付けました。ちょうど薬師寺の西辺の高台にあり、本尊として祀られる薬師如来(薬師瑠璃光如来)にちなんだ命名となっています。日ごろは平城京に住まわれましたが、しばしばこの宮に静養され、心静かに楽しまれたと伝えられます。平安遷都とともに宮は衰退し、長く薬師寺によって守られてきました。

古代、天皇はしばしば都を離れ静養されました。とくに知られるのは、天武・持統天皇が遊ばれた吉野宮滝の離宮です。吉野町の宮滝一帯は吉野川の両岸に奇岩が並ぶ景勝の地で、水は深く蒼く澄み、避暑には最適の地です。何より景観もさることながら、吉野は古くより神仙郷として崇められてきた地でもありました。さらに天武天皇は壬申の乱にあたってこの地で挙兵したため、ひときわ思い入れの深い地でもあったのでしょう。幾度となくこの地に行幸され、その後、文武・聖武・宇多天皇らも行幸を重ねています。縄文・弥生・飛鳥・奈良の各時代が重なった複合遺跡である宮滝遺跡からは建物の一部が出土しており、吉野宮の跡と推定されています。

問題2

ある植物をゾウの鼻に見立て、それを使ってお酒をいただき、健康を願う「象鼻盃(杯)」(ぞうびはい)。その植物とは、さて何でしょう。

1.ハス
2.バショウ
3.フキ
4.ソテツ

正解

正解は、1の「ハス」。

6月や7月、各社寺では半年の間にたまった汚れを祓い、残る半年の厄を除け健康を願う夏越祓(なごしのはらえ)や解除会(げじょえ)が行われます。祭儀や法要とともに、茅の輪くぐりも行われ、暑い夏の風物詩ともなっています。

象鼻盃(杯)も夏の季節感たっぷりの行事。ハスの大きな葉をゾウの頭に、長い茎を鼻に見立て、葉に穴をあけ、そこに注いだお酒やお水を茎を通していただきます。朝に摘んだばかりのハスは香り豊かで、かぐわしい香りがお酒に移り、おいしくいただけます。

象鼻盃(杯)はそもそも紀元3世紀に古代中国で起こった消夏飲酒法です。日本ではハスの名所などでの夏の行事として親しまれていますが、お寺で行われる理由としてはハスとゾウがともに仏教にゆかり深いことが挙げられます。ハスは仏像の蓮華座や持物、伽藍を飾る絵画などさまざまな部分にモチーフとして用いられ、ゾウは普賢菩薩の聖獣として、また釈迦誕生のエピソードにも登場します。奈良市では、霊山寺解除会や法華寺で行われ、暑気払いと健康増進にご利益があると言われています。

問題3

いろいろな願い事をかなえてくれるお地蔵さん。では、できものを治してくれると信仰を集めるお地蔵さんは、次のうち、さてどれでしょう。

1.身代り焼け地蔵(宇陀市)
2.油掛け地蔵(川西町)
3.ひだる地蔵(東吉野村)
4.おうてくれ地蔵(三宅町)

正解

正解は、2の「油掛け地蔵」。

川西町吐田にあるお地蔵さんは、その名前の通り、お願い事をするときには油を掛ける風習が残ります。言い伝えによればお地蔵さんは田んぼの中から掘り出され泥や油にまみれていたため、気の毒に思った村人がきれいに洗ってやると、途端に腹痛に見舞われたといいます。そこでもう一度泥や油をつけてやると、腹痛はおさまったとか。またできものに困った娘が、お参りの際に偶然転んでお地蔵さんの油や泥が患部につき、ついたままにしておいたところきれいに治ったことから、以来できものを治してくれると信仰されるようになったといいます。長年にわたり人々が油を掛け続けたため、お地蔵さんは油にまみれ、よく黒光りしています。

1の身代り焼け地蔵は、宇陀市の大野寺のお地蔵さん。信仰篤い娘が無実の罪で火あぶりに処せられようとしたときに、自らが身代わりとなって、娘を救ったといいます。いまもその体の一部に焦げ跡が残っています。3のひだる地蔵は、東吉野村の佐倉峠に祀られるお地蔵さん。険しい峠道をゆく旅人に憑りつき、ときには命も奪ったという悪神「ひだる神」から旅人を守るため、お祀りされています。かつての峠越えの厳しさを今に伝えるお地蔵さんです。4の三宅町のおうてくれ地蔵は、近鉄橿原線石見駅の近くにあり、暗い夜道を歩く若者の背中に乗って懲らしめ、夜遊びをして親に心配を掛けないよう諭したというお地蔵さんです。

奈良をはじめとする関西では、7月もしくは8月の下旬に地蔵盆が行われます。お盆に帰って来ることができなかった精霊を慰めるもので、お寺で行われるものから各町内の辻に祀られるお地蔵さんをお祀りするものまでさまざま。夏休みの子どもたちのお祭りでもあります。街角に提灯が灯る地蔵盆は関西の夏の風物詩。夕涼みの散歩がてら、ノスタルジックな祭りの夜を楽しんでみてはいかがでしょう。

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