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勝手に奈良検定

第112回 勝手に奈良検定

問題1

これを模して造られたのは、どこの磨崖仏(まがいぶつ)でしょうか。

1.あたやの石仏(奈良市)
2.大野寺(宇陀市)
3.金勝寺(平群町)
4.稲葉谷役行者磨崖仏(生駒市)

第112回 勝手に奈良検定

正解

正解は、2の「大野寺」。

磨崖仏とは岩山や崖状になった岩、巨岩に、さまざまな仏を立体的に彫り出したり、線刻したりしたものをいいます。中国では竜門石窟など非常に立体的で大きなものが知られています。その性質上、ほとんどは移動が不可能であり、川の対岸や崖下などから、仏の姿を拝むようになっています。日本では平安時代初期にはすでに磨崖仏が造られ、山岳仏教の広まりとも相まって、険しい山中などなかなか人が入れない場所にも展開しました。

奈良県やすぐ北に位置する京都の山城にも、大小さまざまな磨崖仏が見られます。写真は京都府笠置町にある笠置寺の弥勒磨崖仏です。笠置山の山頂にある笠置寺は、岩山や巨石に囲まれたなかにあり、修験の一大道場として栄えました。本尊は高さ15.6m×幅15mの岩に彫られた弥勒菩薩。しかし現在では後背を残すのみとなっています。これを写して彫られたのが、宇陀市室生の大野寺の弥勒磨崖仏です。宇陀川対岸の高さ約30mの岩肌に刻まれ、像そのものの高さは約14mもあり、日本で一番高い磨崖仏です。ちなみに大野寺は、白鳳9年(681)に役行者(えんのぎょうじゃ)が開いた古刹と伝えられています。

1の「あたやの石仏」は奈良市柳生下町の巨岩に彫られ、鎌倉時代末期の阿弥陀如来立像(高さ約148㎝)、室町時代の地蔵菩薩立像(高さ約70㎝)が並んで彫られています。像の横には折鶴もかけられ、いまも庶民の信仰を集めている素朴な石仏です。3の「金勝寺」は、天平18年(746)創建、聖武天皇の勅願により行基が開いた古刹。境内奥の高さ9mもの断崖には、線刻の不動明王をはじめ、薬師如来像、宝筐印塔(ほうきょういんとう)、地蔵菩薩が刻まれます。4の「稲葉谷役行者磨崖仏」は住宅街の一角にある高さ約5mの岩山に彫られた磨崖仏。岩山の頂上に役行者が彫られている。生駒市上町周辺や高山地区は、修験道の行場であった生駒山や信貴山一帯に近いことから、修験道の開祖、役行者を彫った行者石仏が多く見られます。

問題2

ハスで知られる3か寺を巡る「ロータスロード」。3か寺の組み合わせで正しいのは、次のどれでしょう。

1.喜光寺・唐招提寺・円成寺
2.喜光寺・法華寺・円成寺
3.薬師寺・唐招提寺・円成寺
4.喜光寺・唐招提寺・薬師寺

正解

正解は、4の「喜光寺・唐招提寺・薬師寺」。

「ロータス」とは「ハス」のこと。ハスの花は仏教では大切にされ、極楽浄土の象徴であり、また仏像の蓮華座や持物、伽藍を飾る絵画などさまざまな部分にモチーフとして用いられてきました。奈良市の尼ヶ辻から西ノ京にあるハスで名高い3か寺を結ぶコースは、毎年夏「ロータスロード」として、さまざまなイベントが行われています。2015年は「奈良・西ノ京 ロータスロード 特別ご朱印めぐり~蓮とご朱印巡りを楽しむ旅~」(拝観料・特別ご朱印帳・納経料込、散華プレゼントもあり)として、7月1日(水)~8月25日(火)に開催されます。

〝試みの大仏殿〟として知られる喜光寺では、約100種、200鉢のハスが境内一面に広がります。品種が多いため、初夏から晩夏近くまで花を楽しめるのが特徴。ピンク、白、黄のハスのなかに、本堂がそびえ建ちます。鑑真大和上の寺・唐招提寺では、和上が将来したという、伝来の唐招提寺蓮が知られます。鉢植えのほか、戒壇の前のハス池に白やピンクのハスが花開き、緑深き境内に美しく映えます。薬師寺は、境内に置かれたハス250鉢と朱塗りの伽藍との対比が美しく、どこかシルクロードの風を感じさせてくれます。

法華寺や円成寺もハスで名高いお寺です。法華寺ではハスの葉に穴をあけ、茎を通してお酒やお水をいただく象鼻盃(杯)が知られます。朝に摘んだばかりのハスの豊かな香りがお酒や水に移り、夏ならではの清涼感が楽しめる行事です。また円成寺は、楼門前の浄土式庭園の池一面に咲くハスの花が見事。柳生の山中に、まさに極楽浄土の世界が広がります。いずれも午前中に回るのがベスト。喜光寺や薬師寺で行われる早朝からの暁天講座にも参加しながら、奈良のお寺のハス巡りを楽しんではいかがでしょう。

問題3

會津八一「わぎもこが きぬかけやなぎ みまくほり いけをめぐりぬ かささしながら」。この歌のなかに詠みこまれた「いけ」とは、さて、次のどれでしょう。

1.鷺池
2.猿沢池
3.荒池
4.大仏池

正解

正解は、2の「猿沢池」。

東洋美術史学者、歌人、書家など、さまざまな顔をもつ會津八一(1881~1956)。なかでも故郷の新潟をはじめ、奈良の古社寺や仏像、古跡を詠んだ歌は多くの人に愛され、各地に歌碑が建てられています。「わぎもこが きぬかけやなぎ みまくほり いけをめぐりぬ かささしながら」(意味:衣掛柳を見ようと、池を巡ったことだ。傘をさしながら)。この歌碑も、奈良市の猿沢池の北東「五十二段」の石段の下にあり、ゆっくりと歩を進めたであろう池を、いまも八一が眺めているかのようです。

明治41年8月に詠まれたこの歌は、いにしえからの伝承にも触れた、まさに奈良ならではの歌です。「衣掛柳のある池」とは猿沢池のこと。奈良時代、天皇の寵愛がうすくなったと嘆いた采女が、柳にその衣を掛け、入水したと伝わっています。歌に詠まれた衣掛柳は、石碑とともに池の南東にあり、天皇の住まいであった平城宮を見つめています。池のちょうど対岸には采女神社があり、仲秋の名月には采女祭りが行われます。

荒池と鷺池は、猿沢池から西南西の方向に広がる大きな溜め池です。荒池からは興福寺の塔がよく見え、古都奈良らしい風景が楽しめます。また周囲を緑に囲まれた鷺池は中央に浮見堂を浮かべ、四季折々に美しい風景を見せてくれます。大きな川のない奈良県には6000ものため池があるといわれますが、この2つも周囲の村々の水田を潤してきました。大仏池は東大寺二月堂から大仏殿の裏を通り、下って来たところにある池。池の畔の大きなイチョウの樹や、大仏殿を背景に遊ぶ鹿など、こちらも古代から続く大寺院の風景とともに親しまれています。

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