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勝手に奈良検定

第138回 勝手に奈良検定

問題1

一見何の変哲もない細い道。実はここ、明治時代にはまったく景観が異なっていました。正解は次のうち、どれ?

1.川
2.道
3.線路
4.溜池のへり

第138回 勝手に奈良検定

正解

正解は、3の「線路」。

言われてみれば、何となく線路が緩やかにカーブしているように見えてきませんか?写真に写っているのは、JR奈良駅から500mほど北に進んだあたりの風景です。写真左手の土手の上には、奈良県立大学の敷地が広がっています。そして問題の細い道をこのまま100mほど先へ(南へ)進んでいくと、やがてJR奈良線にY字状に合流するようにぶつかります。合流地点から線路沿いにさらに400mほど南進すれば、JR奈良駅の東口に出ます。つまり、この線路跡は、明治時代、JR奈良駅の北東方向から走ってきて関西鉄道(現JR線)と合流、いつかの時点で廃線となった路線であるということになります。

となると、答えは1つ、この路線が示すのは、かつて加茂駅から奈良駅までを結んだ「大仏鉄道」です。大仏鉄道は明治31年(1898)4月に開通、加茂駅と、現在の県立奈良大学の北北東に設置された大仏駅とを結びました。マッチ箱と呼ばれた小さな車両とそれを引っ張る赤い機関車が人気を呼び、加茂駅と大仏駅間の難所、黒髪山を越える峠では、客がおりて汽車を後押ししたそうです。大仏駅は東大寺の大仏を参拝する人々でおおいに賑わいました。開通の翌年には、大仏駅から奈良駅まで路線を伸ばしましたが、やがて木津川経由の平坦な路線にかえられ、私鉄の国鉄化の流れとも相まって、明治41年(1908)、10年で廃線となりました。加茂から奈良間には、いまも当時の橋脚跡や隧道跡が残り、鉄道ファンにはたまらない廃線路線を巡るコースが紹介されています。

問題2

次のうち、大和三名園に数えられるのはどのお庭でしょうか。

1.慈光院庭園
2.依水園
3.平城宮跡東院庭園
4.吉城園

正解

正解は、1の「慈光院庭園」。

お庭といえば京都が思い浮かびますが、実は、奈良時代から大正時代に至るまで、奈良には数々の名園が点在しています。そのなかでも〝大和三名園〟として挙げられるのが、慈光院庭園(大和郡山市)、當麻寺中之坊「香藕園」(葛城市)、竹林院群芳園(吉野町)。慈光院は、江戸時代の大名で茶人でもあった片桐石州が、父の菩提を弔うために寛文3年(1663)に建立した臨済宗大徳寺派の寺院で、境内全体が1つの茶席として造られ、いまも創建当初のままの姿が残されています。茅葺きの書院から眺める開放感あふれる庭は大和平野を借景として実に気持ちよく、幾重にも連なる庭木の刈り込みも楽しめます。

依水園は東大寺に隣接する広大な庭園で、江戸時代と明治時代の2つの回遊式庭園からなっています。若草・春日・御蓋山の三山のほか、東大寺南大門までを借景に、奈良らしい風景を一望できるのが特徴です。さらにその横に連なるのが大正時代の庭である吉城園です。現代は奈良県の所有ですが、かつては興福寺の子院である摩尼珠院(まにしゅいん)があった場所で、池の庭、苔の庭、茶花の庭からなり、四季折々の美しさが楽しめます。少し西へ離れた平城宮跡東院庭園は、平城宮の東の張り出し部の南東端から発掘された庭園で、複雑なみぎわをもつ洲浜(すはま)敷きの池が特徴です。入江や出島も設けられ、庭園を鑑賞するための建物も何度か建て直されていることがわかっています。ほかにも円成寺、法華寺、旧大乗院庭園など、奈良には知られざる名園がたくさん。紅葉を愛でながら秋の名園を散策してみては?

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