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勝手に奈良検定

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第85回 勝手に奈良検定

問題1

写真の古民家は、奈良県の民家に独特の屋根のかたち。さて、これを何造りと呼ぶでしょうか。

第85回 勝手に奈良検定

正解

正解は、大和棟造り(やまとむねづくり)。

「大和棟造り」はその名のとおり、大和地方(奈良県)の伝統的な民家の屋根の造りのことです。実際には、奈良に近い大阪府や、京都南部の山城などでも見うけられます。

一般的には、高い急傾斜の切妻の茅葺き屋根に、傾斜の緩やかな低い瓦葺きの屋根がつきます。茅葺きの屋根は切妻側の両端に飾り瓦(タカヘ)を置き、このことから「高塀造り」とも呼ばれます。大きな「ヘ」の字の切妻の壁は、白壁で作られることが多く、白と茶、飾り瓦のコントラストがきっぱりとして、美しい造りです。この高い屋根の下には主屋が設けられます。一方の低い屋根の下には、かまどや縁側などが設けられ、それぞれ保温性や通気性、明るさなどが考えられた造りとなっています。

茅葺きは人手や維持費用がかかり、何より材料となる茅を集めるのが大変なため、時代の流れで、近年では茅葺きの部分をトタンで代用する家が増えてきました。しかし奈良県内にはいまも数多くの大和棟の家が残されており、重厚であたたかみのある独特の景観をいたるところで楽しむことができます。

問題2

大和が舞台とされ、日本最古といわれる物語。さて、その名前は何でしょう。

正解

正解は、『竹取物語』。

「かぐや姫」の名前でよく知られる竹取物語は、源氏物語などの古典にすでに名前が見えることから、はっきりした年代はわからないながら、遅くとも10世紀半ばには書かれていたと考えられています。作者も不詳です。日本各地にかぐや姫伝説が残り、その物語の本当の故郷はどこか、いまも確定はできないままですが、奈良県北葛城郡広陵町は、かぐや姫の故郷として、最有力の候補地です。

その証拠は、登場人物に色濃く現れています。たとえば「今は昔、竹取の翁というものありけり」ではじまる竹取物語ですが、この竹取翁の名は正確には「讃岐造(さぬきのみやつこ)」といいます。すなわち、讃岐村の長であった讃岐氏の人ということがわかります。その讃岐氏を祀った讃岐神社こそが、いまも広陵町に鎮座する讃岐神社と考えられています。あたりには「薮ノ下」や「竹ケ原」という、竹にまつわる地名も残っています。

さらにかぐや姫に求婚し、無理難題を突きつけられた5人の貴族は、壬申の乱に関係のある実在の人物で、天武天皇や持統天皇に仕えた朝廷の中心にいた人々であることがわかっています。巣山古墳をはじめとする馬見古墳群で知られる広陵町。春は馬見丘陵公園を縦断するのにもっともよい季節です。途中にある讃岐神社にも立ち寄り、かぐや姫伝説に思いを馳せながらウォーキングに出かけてみてはいかがでしょう。

問題3

奈良が誇る桜の名所を舞台にし、〝宙乗り〟で人気の高い歌舞伎の演目といえば、さて何でしょう。

正解

正解は、『義経千本桜』。

宙乗りが出てくるのは、四段目の切りである「河連法眼館(かわつらほうげんやかた)」の場面です。幕切では、神通力でかたきを倒した源九郎狐(げんくろうぎつね)が、両親の皮が張られた鼓をもって、ぴゅうっと飛び去っていく様を表現するのに、宙乗りという演出が行われます。

そもそも宙乗りとは、歌舞伎役者がワイヤーで宙づりにされて舞台や客席の上を移動するものです。シュールな演出は、狐はもちろん、妖怪、幽霊など、人間ではない役柄によく用いられてきました。たとえば千本桜では、花道の舞台側の付け根から吊り上げはじめ、客席の上を横切って、3階席までひといきに移動します。大空を鼓を抱いて喜んで去っていく子狐のいじらしさと、神通力をもった獣ならではの能力が目を引く場面です。

吉野山周辺は古くから神仙の地としてあがめられ、奈良から遠く南に離れているにもかかわらず、天武・持統天皇らがよく訪れた地でもあります。義経が吉野山に逃げ、後醍醐天皇が吉野山にその生涯を終え、秀吉が盛大な花見を開いた吉野山。信仰のあかしとして植えられ続けた吉野の桜は、そのはかなさ、あでやかさゆえに歴史上の人物の心をとらえ、さまざまな物語の舞台になってきました。2013年の桜は例年より早く開花しそうです。大勢の人で賑わう吉野山に、ひと目千本の桜を眺めに出かけてみませんか。

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