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勝手に奈良検定

第84回 勝手に奈良検定

問題1

紅、白、紅白、色とりどりの花が咲く椿の名所のこのお寺、さてどこでしょう。

第84回 勝手に奈良検定

正解

正解は、白毫寺。

早春、境内を彩る銘木は「五色椿」として知られ、天然記念物に指定されています。特徴は紅、白、紅白絞りなど、1本の木に色とりどりに咲く大輪の八重の花。これが五色椿の名称のいわれにもなっています。高さ約5m、根回り約1mで、根元から80㎝のところで東西方向に二股に分かれているのですぐにわかります。もとは興福寺の塔頭寺院であった喜多院にあったもので、寛永年間にここへ移植されたと伝えられます。

この白毫寺の「五色椿」のほかに、東大寺開山堂の「糊こぼし」、伝香寺の「散り椿」がよく知られます。「糊こぼし」は、紅い花弁に白が散り、あたかも白い糊をつけたように見え、二月堂修二会で練行衆らによってつくられる椿の造花はこれを模したものといわれます。また「散り椿」は通常の椿の花と異なり、1枚1枚花びらが散っていくことからこのように名づけられました。これらは奈良の「三名椿」とされています。

ちなみに奈良三名椿をよく愛したのは、江戸時代末期の僧で、唐招提寺長老と伝香寺住職を兼ねた宝静(ほうじょう)です。白毫寺は、椿の時期はもちろん、通年拝観可能。高台にある境内からは、四季折々の奈良市街が一望できます。伝香寺は椿の開花時期(3月下旬~4月上旬)は拝観可能です。東大寺開山堂は、12月16日のみ拝観可能ですが、椿の時期は拝観できません。門前からの見学となります。宝静に倣って、早春の椿めぐりに出掛けてはいかがでしょう。

問題2

3月1日から14日まで、東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)を勤めるお坊さんは、さて何人でしょう。

正解

正解は、11人。

修二会に参籠(さんろう)するお坊さんは練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれます。中世には25人前後が参籠したという記録もありますが、現在は11人で行われています。

ひと口に11人といっても年配の僧から若い僧まで、実に幅広い世代が参籠し、経験によってそれぞれに割り当てられた役を勤め、滞りなく法要を進めていきます。11人は四職(ししき)と平衆(ひらしゅ)とに分かれます。四職はいわゆる管理職で、和上(わじょう:戒を授ける)、大導師(だいどうし:法会の最高責任者)、咒師(しゅし:密教的な作法を司る)、堂司(どうつかさ:法会の進行を司る)の4人です。この下につく平衆は7人。上から順に北衆之一(きたしゅのいち:平衆のまとめ役)、南衆之一(なんしゅのいち:平衆の2番手)、北衆之二(きたしゅのに)、南衆之二(なんしゅのに)、中灯(ちゅうどう:書記役)、権処世界(ごんしょせかい:処世界の補佐役)、処世界(しょせかい:さまざまな雑用役)です。

練行衆は修二会期間中、二月堂の内外でさまざまな法要や行事を行い、国の安泰や五穀豊穣を祈ります。修二会には練行衆以外にもさまざまな役を勤める人たちがおり、総勢50名にもなりますが、練行衆は頭の後ろが三角形に立ち上がった黒い重衣(じゅうえ)を着ているので、お堂の外でもすぐにわかります。ちなみに、期間中に上がる大きな松明を担ぐのは、練行衆ではなくそれぞれの練行衆につく童子(どうじ)の仕事です。練行衆は童子の担ぐ松明を道明かりに、夜の法要を勤めるべく二月堂へ登っていくのです。

問題3

奈良の名所をうたった「南都八景」(なんとはっけい)。全部お答えください!

正解

正解は、「春日野の鹿」「若草山の雪」「猿沢池の月」「佐保川の蛍」「轟橋(とどろきばし)の旅人」「雲井坂の雨」「東大寺の鐘」「南円堂の藤」。

南都八景(奈良八景)を定めたのは、季瓊真蘂(きけいしんずい)です。室町幕府8代将軍、足利義政に随行して、寛正6年(1463)に奈良にやってきたとき、瀟湘八景に擬して南都八景を日記に記したといいます。

「〇〇八景」として、各地の名勝を選ぶ風雅な遊びは、もともと中国に生まれたものです。「雁」「湖」「山」「雪」「月」「雨」「鐘」「夕照」を要素に、湖南省洞庭湖畔の一帯「瀟湘(しょうしょう)八景」としたものです。日本でもこれに倣ったり、あるいは独自の風物を組み込んだりなどして、各地で「八景」がうたわれています。近江八景や金沢八景などがよく知られます。
南都八景は、いまでも奈良の名所として思い浮かぶ風景ばかりですが、2か所だけわかりにくいものがあります。それは「轟橋の旅人」と「雲井坂の雨」。いずれも現在の奈良県庁の東を南北に走る国道369号に関わるものです。轟橋はいまでは橋に使われていた石3枚を残すのみ。県庁側から依水園へ信号を渡り、北に向かって歩くと、歩道に埋め込まれています。また雲井坂とは京都方面から奈良の町へ入る直前の坂で、同じ国道369号の県庁周辺に、わずかになだらかな坂を残しています。

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