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勝手に奈良検定

第83回 勝手に奈良検定

問題1

2月といえば節分。各地の社寺で節分法要や節分祭が営まれます。さて、法要を邪魔するこの赤鬼は、どこのお寺に現れた鬼でしょうか。高そうな天井や、鬼の背後の額に書かれた文字がヒントです。

第83回 勝手に奈良検定

正解

正解は、金峯山寺(きんぷせんじ)。

天井の高いお堂、鬼の後ろの方に見える額に書かれた「蔵王権現」の文字は、吉野金峯山寺の蔵王堂(国宝)を示しています。金峯山寺の節分行事は、蔵王堂での日数心経や星供秘法から始まります。この間、蔵王堂の下や石段、堂内には、赤・緑・黒2匹ずつ、6匹の鬼がうろうろし、石段に寝そべったり、法要に参加する修験者たちから数珠を奪い取ったり、頭につける頭巾(ときん)を引っ張ったりと、法要が行われている間じゅう、ずっと邪魔をします。

しかし続く調伏式では豆をぶつけられ、これまでの悪行を土下座して反省し、改心して善い鬼となります。さらに改心した鬼たちは修験者たちに拍手で祝福され、金峯山寺を守護する鬼として金峯山寺に迎えられるのです。鬼たちは嬉しさのあまり歓喜の「鬼踊り」を踊り出し、法要は大団円のうちに終わります。このとき、調伏式でかけられる豆まきの掛け声は「福は内、鬼も内」。全国でも珍しい節分行事です。

金峯山寺は、修験道の開祖といわれる役行者(えんのぎょうじゃ)が蔵王権現を感得したお寺といわれます。役行者は前鬼・後鬼(ぜんき・ごき)という名の2匹を従えた人物。つまり金峯山寺も、鬼とはゆかりのあるお寺ということになります。鬼はとてつもないパワーの持ち主であり、その力を悪事ではなく善いことに使えば逆に頼もしい味方となることを、この節分法要では教えてくれるのです。

問題2

聖徳太子が飼っていた愛犬の名前は、さて何でしょう。

正解

正解は、雪丸。

飼い主の聖徳太子に似てとても賢く、人の言葉を話し、お経を理解できたと伝えられる雪丸は、王寺町の達磨寺にその像が祀られています。達磨寺は推古天皇が発願し、聖徳太子が創建したと伝える古刹で、「飢人伝説」で知られます。これは、太子が道で出合った飢えた男が、実は達磨大師の化身であったというもので、太子は堂を立て、達磨像を彫って祀りました。

現在、本堂の南西に置かれる雪丸像ですが、雪丸が死んだとき、その亡骸は本堂の東北に祀られたといわれています。これは、死んだ後も達磨廟(達磨寺3号墳)を守るゆえ、自分の遺骸は本堂の東北隅に埋めるよと、雪丸自身が言い残した遺言によるものと伝えます。現在、雪丸像の近くには、達磨石と太子石があり、これらは達磨大師と聖徳太子が出会ったときに歌を詠み交わした問答石と呼ばれています。雪丸像は、この石を見守るかのように安置されています。

愛くるしい表情の雪丸像は、王寺町の人気者。王寺町商工会は、雪丸を町のキャラクターとしてさまざまな場面で登場させています。雪のように真っ白な体、ちょこんと載った小さな烏帽子、甘えるような困ったような何とも言えない表情が魅力的なゆるキャラです。

問題3

滝が凍る「氷瀑」で知られる川上村の滝の名前は、さて何でしょう。

正解

正解は、御船の滝(みふねのたき)。

御船の滝は、吉野郡川上村の井光(いかり)にある滝です。滝の落差50mほどの2段の滝です。「御船」の名前は、滝のある谷の名前「船ヤ谷」から付けられたとも、「美しい船ヤ谷」の形容から「御(美)船」と呼ばれるようになったとも、諸説いわれています。

穏やかな姿が四季折々に美しい御船の滝ですが、この滝を有名にしたのはなんといっても厳寒期に見られる「氷瀑」という自然現象です。氷瀑とは厳しい冷え込みが数日続いたときにおこる滝が凍る現象で、気象条件により、全部が凍るものから部分的に凍るものまでさまざまです。また氷瀑には、しぶきが凍った飛沫着氷や飛沫氷柱、岩肌の水が凍って成長する氷筍など、さまざまな自然現象がみられます。

御船の滝の氷瀑は、その姿がは文殊菩薩にもたとえられ、知恵を授ける滝としても人気を集めています。2013年もすでに氷瀑の状態がみられており、2月に入ればそのチャンスはますます増えるでしょう。御船の滝には、道の駅「杉の湯川上」の先の「井氷鹿(いびか)の里」に車を止めて、雪道の林道を1時間ほど登ります。見学には、防寒、靴の滑り止め、また車のチェーン着装など、安全対策をしっかりととることが必要です。また滝や道路の状況などは「かわかみブログ」で確認できます。http://blog.livedoor.jp/kawakamimura/

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