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桜舞う吉野「櫻本坊」で、心清まる写仏の時間を

更新日:2021年3月26日

桜舞う吉野「櫻本坊」で、心清まる写仏の時間を

人生で一度は訪れてみたい観桜シーズンの吉野。
尾根から尾根へ、谷から谷へと山全体がピンク色に染まりゆく光景は豪華で迫力満点!
どの角度からでも“一目千本”の桜を愛でることができるのも、吉野の桜の魅力です。
その吉野の桜は修験道と深〜い関わりがあり、1300年前に修験道を開いた役行者(えんのぎょうじゃ)が、蔵王権現のお姿を木桜に彫って祭ったのが始まりなのだとか。
それ以来、吉野では桜の木は御神木とされ、心身の浄化もしてくれると言われています。
そこで、オススメしたいのが、修験道の道場「吉野・櫻本坊(さくらもとぼう)」での写仏体験。
写経は体験したことがあるけど、写仏はむずかしそう、と悩むことなかれ。
内なる自分と対話しながら御仏を写しているうちに、心が少しずつ鎮まっていくから不思議。
澄んだ心と目でみる吉野の桜は、一層の美しさで迫ってくるはずです。

※営業時間等の変更・臨時休業となる場合があります。お出かけの際は各スポットのホームページやお電話等で事前にご確認ください。

目次

一点一線に心を込めて描き写す自分だけの御仏、櫻本坊の「写仏体験」
一目千本を一望する絶景席で、吉野ならではの味を堪能「静亭」
あわせて行きたい、「櫻本坊」周辺のおすすめスポット
「吉水神社(よしみずじんじゃ)」
「勝手神社(かってじんじゃ)」
「TSUJIMURA&café kiton(つじむら&かふぇ きーとん)」

一点一線に心を込めて描き写す自分だけの御仏、櫻本坊「写仏体験」

旅のスタートは近鉄吉野駅を降りてすぐのところにある、吉野ロープウェイの千本口駅から。
近鉄吉野駅から吉野山駅まで歩いて登ることもできるけれど、体力温存を兼ねて、現存する最古のものであり機械遺産にも登録されている「吉野ロープウェイ」で、ラクラク山の上まで登っちゃおう♪

乗車時間約3分、あっという間に到着!
駅を出て、吉野山への総門である黒門をくぐると、一気に旅気分も最高潮に!
山全体が世界遺産として登録されている吉野山は、吉水(よしみず)神社、吉野水分(よしのみくまり)神社、金峯山寺(きんぷせんじ)などの世界遺産の建造物を徒歩で周れることも大きな魅力です。
道中には、「吉野といえば」の柿の葉寿司の名店や吉野葛のお店、お豆腐店、カフェなど、お店もたくさん!
写仏の予約時間に合わせて、気になるスポットに立ち寄りながら、目的地「櫻本坊」を目指しましょう!

吉野山駅から、ゆっくり歩いて約30分ほどの道のりで、吉野山の中千本付近にある修験道の道場「櫻本坊」に到着です!こちらは、のちに天武天皇となる大海人皇子が寒〜い冬の夜に見た夢のお告げによって建立された由緒正しき古刹。
境内には「夢見の桜」と呼ばれる1本のしだれ桜があり、3月の彼岸の頃に美しい花を咲かせます。
天武天皇や役行者らがこの地に立って桜を愛でていたかと思うと、なんだかロマンチックですよね。

写経写仏のためのお部屋に移動して、早速、書禅家でもある櫻本坊の伯舟(はくしゅう)さんより説明を伺います。

写仏とは、古来より信仰されている神仏を描き写すことによって、神仏のお力やご加護をいただくというもの。櫻本坊では、観音様や菩薩様など約9種類のオリジナル手本が用意されていて、好きな仏様を選べます。最も描写が複雑な千手観音様を写すには、なんと2時間近くかかるそう。この日は、吉野ならではの仏様である金峯山寺の御本尊「金剛蔵王大権現」の写仏に挑戦しました。

下絵を選んで薄い半紙を重ねたら、いよいよ写仏体験のスタートです。
筆ペンはよく使うものの、本格的な筆を持つのはうん十年ぶり。うまく描けるかどうか、不安と緊張感でいっぱいだった気持ちを解きほぐしてくれたのが伯舟さん。「とにかく描くことを楽しむことが大切です。集中すれば描けますよ」と、にこやかな笑顔でお話されます。

写仏は墨をするところから始まります。硯に水を注いで墨をまっすぐにゆっくりとすり、心と呼吸を整えます。筆の馴染みをよくするためには、心穏やかにやさしく円を描くようにするのがポイント。墨を乱暴にすったり、急いでなぶり描きしたりすると、写した御仏にも乱れた心が映し出されるので、道具はていねいに扱うこと。自分の中の心眼を開き、対話しながら墨をするうちに、邪念が取り除かれ、自然と集中力が高まります。

お手本にした蔵王権現様は、眼光鋭く、眉を釣り上げた怒りの形相で、ウェーブがかかった髪の毛は見事に逆立っています。
ここはうまく描こうとは思わずに、下絵の線に忠実になぞっていきます。曲線部分については多少のずれは気にせずに、筆をすーっと動かして。一点一線に心を込め、祈りながら描くことで、自分だけの仏様と出会えますよ。

スタートから30分あまり。胸元を飾る装飾品を描き、最後に、祈りの言葉(おんばさら くしゃあらんじゃうん そわか)と願いごと(為家族の病気平癒)を加えると、蔵王権現様が完成。初めての写仏体験でしたが、なんとか納得のいく仕上がりとなりました。

完成した御仏の画(え)は奉納され、月次祭の護摩法要の折りに永代祈願をしていただけます。この日も祈願していただけるということでご住職のあとに続いて本堂へ。お堂に入る前にパウダー状の清め香「塗香(ずこう)」をちょんちょんと体につけて心身を清めるのですが、神聖な儀式のおかげで一気にテンションアップ!

毎日の勤行やご祈祷護摩が行われる本堂に祀られているのは、ご本尊の役行者像とヤツデの団扇を持つ大天狗など。役行者は19歳の等身大の姿を拝むことができ、微笑んでいるような柔和な表情に癒されます。そして、ドーンドーンと大きな太鼓の音が響き、ご住職が般若心経を読み始めると、本堂内はたちまち厳かな雰囲気になり、張り詰めた空気が漂います。

櫻本坊の境内には、本堂のほかにも、日本最古の縁結びの神様「聖天様」を祭る聖天堂と、真言宗の開祖「弘法大師」を祭る大師堂、廃仏毀釈を逃れた貴重なお宝を集めた宝聚堂と、3つの社が並びます。その手前で見事な枝ぶりを見せるのが、天武天皇ゆかりのしだれ桜「夢見の桜」です。

櫻本坊には、桜のシーズンには窓越しに上千本の桜を一望できる絶好のお花見スポットの百畳の間「大講堂」もあります。約200種3万本ともいわれる花が咲き誇る吉野の桜は、滝がとうとうと流れ落ちるように咲くことから「滝桜」とも呼ばれ、その光景は圧巻。ご住職によると「桜の木は心身を清めるパワーを秘めている」のだそう。五感を澄ます写仏体験と組み合わせて、心の免疫力アップに効果が期待できそうです♪

一目千本を一望する絶景席で、吉野ならではの味を堪能「静亭」

源義経に愛されながらも逃亡先の吉野で生き別れてしまった悲運の女性、静御前(しずかごぜん)。
彼女が舞を舞ったといわれる勝手神社の目の前で、昭和23年から親しまれたきた食事処が「静亭」です。
おすすめは、鴨の旨味がにじみ出たとろみのあるお出汁とモチモチの葛うどんが相性抜群の「鴨葛うどん」と、ほどよい塩加減の自家製柿の葉寿司がセットになった「鴨葛うどんとごま豆腐、柿の葉寿司のセット」1,400円(税込)。
店頭やネットショップでは人気の「鴨ロース煮」や「桜と味噌のクリームチーズ」など静亭手作りの一品も販売していて、お土産の調達もできます。そちらもぜひチェックしてみて。

5年前にリニューアルした木の温もりが伝わる店内からは、四季折々に移り変わる絶景を堪能できます。でも、もし桜の季節に間に合わなくてもご安心を。吉野山は、新緑が鮮やかな5月の連休もオススメです。樹木の新芽に、鳥のさえずりなど五感をすませば、自然を全身で感じられますよ。それに、観桜期や紅葉期以外のシーズンオフの時期でも、吉野の素晴らしい景観を独り占めするかのような静かで贅沢な時間が流れていて、それはそれでひと味違う吉野を楽しめるはずです。
「桜が終わっちゃった〜、また来年!」ではなく、ぜひ季節ごとの吉野の魅力を見つけに出かけてみてくださいね♪

<おすすめコース>

おすすめコース
Start

千本口駅

下矢印乗車 約3分

千本口駅から吉野山駅までは約5分。健脚なら、くねくねした山道を20分ほどかけて歩いてみては。

下矢印徒歩 約25分

吉水神社(よしみずじんじゃ)へ。

もとは吉水院と呼ばれた「吉水神社」。源頼朝に追われた源義経が静御前や弁慶らと身を隠した場所であること、南北朝時代に後醍醐天皇の行宮(あんぐう)になったこと、豊臣秀吉が花見の本陣にしたことなど数々の歴史的逸話で知られています。日本住宅建築史上最古の書院として、ユネスコより世界遺産として登録された重要文化財である書院には、義経や後醍醐天皇など、それぞれの時代の遺品や宝物が展示されており、見応えがあります。

→スポットの詳細DATAはコチラ
下矢印徒歩 約20分

「櫻本坊」では、「お寺で癒よう〜五感を澄ます体験〜」をテーマに、止観瞑想や滝行、写経写仏などさまざまな修業体験が可能。女性の感性をくすぐる香油タイプのお守りや素敵なデザインの御朱印帳などもぜひお土産にしちゃいましょう♪

→スポットの詳細DATAはコチラ
下矢印徒歩 約6分

続いて、勝手神社へ。
のちに天武天皇となる大海人皇子が琴を奏でると、天女が舞い降りてきてその場で舞を見せたと伝えられる神社です。五節舞(ごせちまい)の発祥地。社殿は平成13年(2001)に焼失してしまいましたが、今も境内には源義経と別れた静御前ゆかりの舞塚が残っています。2月末頃は、きれいなピンク色の梅の花が咲いていました。

下矢印徒歩すぐ

勝手神社の目の前にある「静亭」で腹ごしらえを。
創業は1948年。勝手神社の宮司さんから静御前の一文字をもらって店名にしたのだとか。初代女将は、修行僧の遊び場だった射的場から始め、飲食店へと商売替えした敏腕オーナー。その孫娘にあたる3代目女将の林美佳さんも「静亭にもう一度行きたいと言ってもらえるような店づくり」をめざして奮闘中です。

下矢印徒歩すぐ
 

参道沿いにある、ひときわ目立つおしゃれなカフェ「TSUJIMURA&café kiton」でお茶にしましょ♪


店内に一歩踏み入れると、居心地の良さそうな温もりのある空間。センスの良い店内では、吉野名産の本葛を使い、伝統製法で作られたオリジナルの葛菓子を現代の価値観と世界観で表現して提供しています。
カフェスペースでも、「葛きり+大和ほうじ茶付」950円(税込)など、吉野本葛を使ったモチモチつるつる食感の葛切り、葛餅のほか、葛餅入りのかき氷やぜんざいなど、季節ごとのスイーツを堪能できます。

下矢印徒歩 約20分
吉野山駅へ Goal
 

<櫻本坊 DATA>

TEL 0746-32-5011
住所 吉野郡吉野町吉野山1269
アクセス 吉野ロープウェイ吉野山駅下車、徒歩約20分、または千本口駅からケーブルバスで約15分、「竹林院前」停で下車徒歩約3分、または「近鉄吉野」駅から徒歩約40分、または「吉野神宮」駅からタクシーで約8分
体験時間 約90分
9時〜16時(14時受付終了)
随時受付・ただし、事前予約がおすすめ。4月8日は花まつりの法要のため、体験不可
体験料金 2500円(拝観料込)
駐車場 10台(無料)
 

<静亭 DATA>

TEL 0746-32-3157
住所 吉野郡吉野町吉野山952
アクセス 吉野ロープウェイ吉野山駅下車、徒歩約20分、または千本口駅からケーブルバスで約10分、「勝手神社前」下車すぐ
営業時間 9:00〜18:00
定休日 無休
駐車場 あり(観桜期はなし)
 

<吉水神社DATA>

TEL 0746-32-3024
住所 吉野郡吉野町吉野山579
アクセス 吉野ロープウェイ吉野山駅下車、徒歩約30分、または千本口駅からケーブルバスで約15分、「勝手神社前」停で下車徒歩約10分
拝観時間 9:00~17:00
拝観料金 大人600円、中・高校生400円、小学生300円
駐車場 8台
 

<TSUJIMURA&café kiton DATA>

TEL 0746-32-3032
住所 吉野郡吉野町吉野山950
アクセス 吉野ロープウェイ吉野山駅下車、徒歩約15分、または千本口駅からケーブルバスで約10分、「勝手神社前」下車すぐ
営業時間 10時〜18時(L.O.17時30分)
定休日 火・水
駐車場 10台(3月27日~4月18日は利用できません)



※「吉野ロープウェイ」は、観桜期、紅葉期は毎日運行。オフシーズンは、金・土・日・月の週4日のみの運行で、火・水・木はロープウェイの代行としてバスが運行します。
詳しくはホームページ(http://www.yokb315.co.jp)をご確認ください。

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