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水がいい!自然がいい!人がいい!「天川村ブランド」がおもしろい!

掲載日:2022年9月2日

地元の特徴を生かし、その地ならではの商品やサービスを地域ブランドとして製造・販売する取り組みが県内各地で広がっています。奈良県南部にある天川村では、名水「ごろごろ水」を活用した商品や「洞川(どろがわ)夏いちご」など、恵まれた自然を活用した特産物を販売。観光客の誘致や地域発展につなげています。そこで今回は、天川村役場が取り組む、地域ブランドに対する思いや今後の課題について伺いました。

目次

名水がサイダーに!若年層にも「天川村」を広めたい

希少価値の高い「夏いちご」を地域ブランドに

名水がサイダーに!若年層にも「天川村」を広めたい

村の97%を森林が占める、名称通りの美しい自然が魅力の「天川村」。大峯(おおみね)山脈から流れる美しい山上川(さんじょうがわ)や天ノ川(てんのかわ)」が村を貫流し、古来より清らかな水の地と称えられてきました。中でも、住民たちに多くの恩恵を与え、村の代名詞にもなっているのが「ごろごろ水」です。
この水は、泉の森・神泉洞の湧水から成る「洞川湧水群」(どろがわゆうすいぐん)のひとつで、環境省の名水百選にも選定されています。誰でも自由に汲み取れるよう水汲み場が整備されており(駐車場代500円)、また化粧品や食品といった特産品としても加工・販売され、今では重要な観光資源となっています。2022年6月には、同水を使った飲料水「ごろごろサイダー」(250円/250ml)を新たに開発し、売り上げも好調です。
こうした天川村ブランドを牽引する「ごろごろ水」は、村にとってどのような存在なのでしょう?役場の田島さんに、サイダー開発の経緯や「ごろごろ水」の魅力を伺いました。

Q.「ごろごろサイダー」を発案したきっかけを教えてください。

私自身、昨年から夏に向けてサイダーを作りたいという構想を持っていました。元々、天川村はご年配の方の間ではよく知られていますが、若い世代への周知が課題でした。でも、夏場になるとキャンプや川遊びで、多くの若年層やファミリー層が来村してくれるので、そうした若い世代の方々にも気軽に購入してもらえる商品として企画したのがサイダーでした。

Q. 商品化にあたり、こだわったポイントを教えてください。

特にこだわったのは、商品の顔となるラベルのデザインです。村の魅力である豊かな自然を表現するため、職員や来村中の地域おこし協力隊員にも草案作りに協力してもらって、試行錯誤を重ねました。今のデザインは、水が山脈や岩壁を潜り抜けて、村を流れる様子が分かる絵柄をあしらっており、天川村らしさが表現されていると思います。また、天川村商工会にご協力していただき、販路拡大の方法や、営業の仕方を教えていただきました。

青を基調とした爽やかなラベルが特長

Q. サイダーの開発にあたり、村民の皆さんの反応はいかがですか?

味や価格のことなど、時には厳しいご意見をいただくこともありますが、とても好意的です。店主の方々は、店頭販売にも積極的に協力してくれています。

Q. 「ごろごろ水」の魅力は何だと思われますか?

類まれな水質の良さです。昔から名水と名高い水でしたが、商品化する前に改めて水質検査を実施しました。これが驚きの結果で、ミネラルウォーター以上に不純物が少なく、優良な水であると判明しました。検査によって同水の素晴らしさが証明されたわけです。これは製造会社の方に伺ったのですが、同じ配合で売り出している別の地域のサイダーと比較しても、「ごろごろサイダー」は味が格段にまろやかだそうです。これも、水の秘めたるパワーなのかもしれませんね。

「五代松鍾乳洞」付近の石灰岩相から湧き出る「ごろごろ水」

この水を生かした商品開発が進めば、地域発展に大きく貢献すると思っています。そのためにも、商品開発に尽力し、商品数を増やしていくことが、役場の使命といえますね。

Q. 今後の目標を教えてください。

サイダーとしての目標は、周知と売上アップです。将来的には、ほかのフレーバーも展開し、シリーズ化できたら面白いですね。村としての目標は、観光地として成長していくことです。そのためにも、天川村にしかないイベントやサービスを企画し、物産展にも積極的に参加しながら、観光客の誘致につなげていきたいと思っています。

希少価値の高い「夏いちご」を地域ブランドに

次にご紹介するのは、洞川地区で夏に栽培される「洞川夏いちご」です。標高が800mと高く、冷涼な気候の洞川地区は、夏に収穫されるいちご栽培に適した土地。7月上旬から9月末まで収穫され、小ぶりで、甘酸っぱく、暑い夏にピッタリの風味が人気を呼んでいます。国内で夏にいちご栽培しているのは、東北や北海道など寒冷地の一部に限られており、出荷量も市場全体の約2%。そうした希少価値の高い夏いちごをなぜ村が主体となって実施したのでしょうか。役場の中森さんに伺いました。

「洞川夏いちご」のほどよい酸味が夏場に最適

Q. いちご栽培のきっかけを教えて下さい。

2016年頃、天川村に新たな特産物を作る構想が役場の中で持ち上がりました。これまでは、村のブランドとなる農産物が少なかったことから、洞川地区の冷涼な気候を生かして栽培できるものを検討した結果、夏いちごに決定しました。

Q. 栽培にあたり、重視したことを教えてください。

最も重視したのは、洞川の気候に合った品種の選定です。7月から11月まで安定して栽培でき、収量、糖度の安定が見込める品種を調査し、2017年から仮設ハウスで予備試験を始めました。様々な品種の中から厳選し、試行錯誤を重ねました。

Q. いちごの特徴を教えてください。

甘すぎず、酸っぱすぎず、風味のバランスが良いのが特徴で、冬いちごと比べても品質の差はほとんどありません。夏に収穫できるとあって、かき氷やシャーベットなどにも利用され、ケーキ店などからも好評を得ています。村内のお店では、フルーツサンドにも使われています。

村内のカフェ「ひらべん茶屋」で販売されている「洞川夏いちごのフルーツサンド」

Q. 今後の目標を教えてください。

村内での消費率を上げることですね。村外では売れ行き、評判共に好調なのですが、村での消費が低く、収益はあまり高くありません。宿泊施設やカフェにおいて、冷凍ではなく、生食としての活用方法を考えなければなりません。今後は、もっと告知力を強化し、名実ともに村のブランドとなるよう全村あげて取り組んでいきたいと思っています。

ふるさと天川の会運営協議会が運営するお土産物店「小路の駅 てん」

地域資源や自然環境に恵まれ、観光地としても注目される天川村ですが、村のブランド力はまだまだ進化の途中にあるようです。しかし、役場が中心となって村全体を盛り上げようという姿勢に、多くの村民が共感し、協力している様子がうかがえました。数年後、村がどのような発展を遂げているのか、またユニークな新商品が登場しているのか…これからの村の発展に注目です。

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